【相続】相続放棄

相続放棄とは

相続放棄とは、その名のとおり遺産を相続しないというものです。相続放棄が認められると法律的にははじめから相続人ではなかったものとして扱われます。故人の借金の返済をしなくて良いことになるのと同時に、その他のプラスの遺産を受け取る権利もなくなります。

相続放棄の手続

被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出します。提出期限は自分が相続人となったことを知ったときから3か月以内です。家庭裁判所に相続放棄が受理されれば「相続放棄申述受理通知書」が交付されます。相続の順位が上位の人が相続放棄すると、下位の人に相続権が回って来ます。下位の人は、自分が相続人となったことを知ったときから3か月以内に相続放棄の手続をすることになります。

例:第一順位 被相続人の配偶者・子ども

  第二順位 被相続人の両親

  第三順位 被相続人の兄弟姉妹

相続放棄はそれぞれ個人個人で行うものですので、同順位の相続人の間で一人が放棄すると同順位の他の相続人の相続分が必然的に増加することになります。さらに同順位の相続人全員が放棄すると下位の順位の相続人に相続権が回っていくという流れです。

 

相続人全員が相続放棄をすると

相続人全員が相続放棄をした結果、「相続人のあることが明らかでないとき」に該当することになると、『相続人の不存在』ということになります。民法では、この状態を「相続財産は、法人とする」と規定しています(民法第951条)。

相続財産管理人

相続人不存在によって、故人が所有していた不動産等に担保権を持っていた債権者等の利害関係人は、担保権の実行をしようにもその相手となる人がいないという不都合が生じています。そこで、利害関係人は、家庭裁判所に相続財産管理人選任を申し立て、選任された相続財産管理人を相手として手続をすることになります。

相続財産管理人は、不動産であれば「亡○○相続財産」と名義変更し、相続財産を管理します。最終的には、相続財産管理人が相続財産を換価し、債権者に弁済(配当)することになります。残余財産があった場合には、特別縁故者があればその者に分与されることになりますが、それでも余った財産は,国庫に帰属することになります。

 

相続放棄は、相続人がとり得る選択肢の一つです。相続放棄をするとすべての相続財産に対する権利義務を失うことになります。相続人が何も意思表示をしなければ、原則として自動的に相続を承認したことになってしまいますので、相続しないという意思を固めた場合には、速やかに家庭裁判所で相続放棄の手続をする必要があります。

 

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