不動産を共有している場合、それぞれの共有者にできることは多くはありません。
できれば不動産を売却して面倒な共有関係から外れるのが得策といえるでしょう。
ただ共有不動産を売却する際にはさまざまな書類が必要です。
今回は共有不動産を売却する際に必要な書類一覧と取得方法を弁護士が解説しますので、不動産の共有関係にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
1.共有不動作売却に必要な書類一覧
まずは共有不動産売却の際にどういった書類が必要になるのか、一覧で確認しましょう。
書類 |
取得方法 |
共有者全員の実印と印鑑登録証明書 |
市町村役場で登録、申請 |
共有不動産の全部事項証明書 |
法務局へ申請 |
共有不動産の登記済権利証(登記識別情報) |
不動産取得時に法務局から受け取っている |
共有者全員の身分証明書 |
共有者がそれぞれ用意する |
間取り図 |
不動産の取得時などに交付される |
建築確認済証・検査済証(戸建ての場合) |
戸建ての建築時に取得 |
地積測量図・境界確認書(土地が含まれる場合) |
不動産取得時やその後に境界確認を行って取得する |
マンション管理規約・使用細則(マンションの場合) |
マンション管理組合や管理会社から交付を受ける |
共有不動産の固定資産評価証明書 または市町村役場固定資産税や都市計画税の納税通知書 |
市町村役場へ申請または送られてくる |
委任状(他の共有者が立会いできない場合) |
契約に立ち会えない共有者がいる場合に用意する |
1-1.共有者全員の実印と印鑑登録証明書
まずは共有者全員の実印と印鑑登録証明書が必要です。それぞれの共有者へ声をかけて取得しましょう。
1-2.共有不動産の全部事項証明書
不動産の全部事項証明書は法務局で取得できます。
1-3.共有不動産の登記済権利証(登記識別情報)
不動産の権利証は、不動産を取得した際に共有者の代表者が受け取っています。
自分が持っていない場合、他の共有者へ保管していないか聞いてみましょう。
1-4.共有者全員の身分証明書
売却の際には共有者全員分の運転免許証などの身分証明書も必要です。
1-5.間取り図
物件の間取り図です。物件を取得した際に不動産会社から交付されるケースが多いでしょう。
1-6.建築確認済証・検査済証(戸建ての場合)
戸建の場合、建築時に建築確認済証や検査済証が交付されているはずです。不明な場合、建築業者や建築士へ問い合わせましょう。
1-7.地積測量図・境界確認書(土地が含まれる場合)
戸建てや土地を売りたい場合、境界争いが起こっていないことの証明のために地積測量図や境界確認書が必要となります。
自分が持っていなくても、他の共有者が持っている可能性があります。
まだ境界確認を行っていない場合、そのままでは物件を売りにくいので隣地所有者へ声をかけて早めに確認作業を行いましょう。
1-8.マンション管理規約・使用細則(マンションの場合)
共有のマンションを売りたい場合、マンション管理規約や使用細則の書面が必要です。
手元にない場合、マンション管理会社や管理組合へ問い合わせましょう。
1-9.共有不動産の固定資産評価証明書
不動産を売る際には、固定資産評価証明書も必要です。手元にない場合、不動産の所在する市町村役場へ申請しましょう。
2.共有不動産を売る際の注意点
不動産全部を売却するには、共有者全員の合意が必要です。合意をとれない場合には共有物分割請求をしなければなりません。お1人で対応されると、他の共有者との間でトラブルも大きくなってしまうリスクがあります。
共有不動産を売りたい方や他の共有者が売却に合意しない場合、弁護士が共有物分割の手続きをサポートいたします。秋山慎太郎総合法律事務所では不動産関係の案件に力を入れて取り組んでいますので、お悩みの方がおられましたら、お気軽にご相談ください。