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【相続】遺言書の検認と必要なケース、申立の手順を解説

2021-07-26

自筆証書遺言や秘密証書遺言を自宅で発見したら、開封前に家庭裁判所で「検認」を受けなければなりません。

 

検認とはどういった手続きなのか、検認が必要な場合や手順を解説します。

 

 

1.遺言書の検認とは

遺言書の検認とは、家庭裁判所で遺言書の状態や内容を確認して保存する手続きです。

遺言者の死後に遺言書が発見されると、その後に書き換えられたり捨てられたりする可能性が懸念されるでしょう。そこで発見された時点において「検認」を行い、遺言書の破棄や隠匿、書き換えなどを防ぐ必要があります。

 

法務局に預けられていなかった自筆証書遺言や秘密証書遺言を発見したら、遺言書の開封前に必ず家庭裁判所へ遺言書の検認を申し立てなければなりません。

 

 

2.遺言書の検認を受けないリスク

もしも遺言書の検認を受けなかったらどういった問題が生じるのでしょうか?

 

過料の制裁

封入されている遺言書を検認前に勝手に開封するのは違法行為です。5万円以下の「過料」の制裁が適用される可能性があります。

 

過料とは、金銭を支払わねばならない行政罰の一種です。刑事罰ではないので前科はつきませんが、お金の支払を命じられるのはリスクといえるでしょう。

 

遺産相続手続きができない

自筆証書遺言や秘密証書遺言を発見したら、遺言書で指定された通りに不動産の名義変更や預貯金の払い戻しなどの相続手続きを行う必要があります。しかし検認を受けていない遺言書では、名義変更の申請を受け付けてもらえません。

相続手続きを行うためにも早めに検認を受けましょう。

 

相続争いのもとになる

遺言書を発見したのに検認を受けずに放置していると、他の相続人から「遺言書を書き換えたのではないか?」などと疑われてトラブルになる可能性もあります。

相続争いを避けるためにも、早期の段階で検認を申し立てるべきです。

 

3.遺言書の検認が必要なケースと不要なケース

遺言書の種類により、検認が必要なケースと不要なケースがあるのでそれぞれをみてみましょう。

 

検認が必要なケース

  • 法務局に預けられていなかった自筆証書遺言

自筆証書遺言が自宅や貸金庫などに保管されていた場合には、検認を受けなければなりません。

  • 秘密証書遺言

秘密証書遺言とは遺言者が封入して公証役場で認証を受けた遺言書です。自宅などで遺言者本人が保管しています。秘密証書遺言を発見したときにも必ず検認を受けなければなりません。

 

検認が不要なケース

  • 法務局に預けられていた自筆証書遺言

自筆証書遺言が法務局に預けられていた場合には検認は不要です。

  • 公正証書遺言

公正証書遺言の場合、検認を受ける必要はありません。遺言書の謄本等があれば、そのまま相続手続きを進められます。

 

4.遺言書の検認の手順

遺言書の検認は以下の手順で進めましょう。

家庭裁判所へ申し立てる

まずは「遺言者の最終住所地」を管轄する家庭裁判所へ検認の申立てをします。申立ができるのは、遺言書の保管者や遺言者の相続人です。

 

必要書類

  • 検認申立書
  • 遺言者の出生時から死亡時までの戸籍謄本類
  • 相続人全員分の戸籍謄本
  • 遺言書が封入されていない場合、遺言書のコピー

相続人の構成によっては、上記以外の戸籍謄本類も必要になります。

 

費用

収入印紙800円と連絡用の郵便切手が必要です。

 

検認申立後の流れ

相続人へ通知書が届く

遺言書の検認を申し立てると、しばらくして家庭裁判所から相続人全員へ検認に関する通知書が届きます。相続人が出席するかどうかは自由ですが、通知によって検認が行われることを伝え、出席の機会を与えます。

 

遺言書の開封と内容確認

当日は家庭裁判所において遺言書の開封と内容確認が行われ、結果が記録されます。

 

検認済証明書の申請

遺言書の検認が終了したら、「検認済証明書」の発行を申請しましょう。検認済証明書があれば、不動産や車の名義変更などの相続手続きを進められます。

検認済証明書の発行には150円の手数料(収入印紙)がかかります。

 

遺言書を発見したときには、早めに検認を申し立てましょう。千葉県で遺産相続に関する手続きの進め方がわからない場合には弁護士がアドバイスを致しますので、お気軽にご相談ください。

【離婚男女】離婚後も同居するメリットとデメリット、手続きについて

2021-07-16

離婚したら、一般的に元夫婦は別居して別々に暮らし始めるものです。

しかしまれに離婚後も「同居を継続する」ケースがあります。

 

今回は離婚後も同居を続けるメリットやデメリット、手続きの方法や注意点を解説しますので、離婚後も相手と同居を続けるか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。

 

1.離婚後に同居するメリット

離婚したからといって必ずしも別居する必要はありません。

同居を続けると以下のようなメリットがあります。

 

1-1.生活費が低く抑えられる

元夫婦が一緒に暮らせば、別々に暮らすより家賃や光熱費などの生活費を低く抑えられるでしょう。引越し費用も不要です。

すぐに引っ越して別居する資金がない場合、しばらく同居するメリットが大きくなるでしょう。

 

1-2.子どもが両親と一緒に暮らせる

小さい子どもがいる場合、両親そろった環境で育てたい方も少なくありません。

夫婦が離婚後も同居するなら、子どもは両親と一緒に暮らせるので、離婚によって与える影響を小さくできます。

親権者にならなかった親にとっても、子どもと一緒に生活して成長の様子を確かめられるのはメリットとなるでしょう。

 

1-3.各種の手当を受け取ることができる

離婚して「ひとり親」となったとき、所得が一定以下であれば児童扶養手当や医療費支援などの手当や補助を受けられます。

離婚後に相手と同居していても、きちんと「世帯分離」をしていれば手当や補助の対象になります。

 

2.離婚後に同居するデメリット

 

2-1.トラブルの可能性が高まる

離婚後に同居し続けると、相手の顔を見ながら生活しなければなりません。不仲になって離婚したご夫婦の場合、大きなストレスがかかるでしょう。喧嘩が頻繁に起こってトラブルになったら子どもにもかえって悪影響となる可能性があります。

 

2-2.「事実婚」「偽装離婚」とみなされる可能性がある

離婚後も同居していると「事実婚」として婚姻関係を継続しているとみなされたり、「偽装離婚」を疑われたりする可能性があります。

偽装離婚によって児童扶養手当などの給付金を受給したら、返還しなければなりません。

財産分与を行った後で偽装離婚を疑われると、高額な贈与税が課税されるリスクも発生します。

 

離婚後も同居するならきちんと「世帯分離」を行い家計も完全に分けて「事実婚」や「偽装離婚」とみなされないように慎重に対応しましょう。

 

3.離婚後に同居する場合の注意点

3-1.生活費や養育費について

離婚すると、元のパートナーへは「生活費(婚姻費用)」を請求できません。離婚前と生活形態が全く変わらなくても、基本的に自分の収入で生活しなければならないので注意が必要です。

ただし未成年の子どもの親権者になったときの「養育費」は請求できます。

 

3-2.親権を決めなければならない

離婚すると、子どもの親権者を「親のどちらか一方」に定めなければなりません。

離婚後に同居を継続してこれまで通りに両親が子どもと一緒に生活するとしても、どちらかを親権者にする必要があります。将来別居する際には親権者が子どもと一緒に暮らすことになるので、それを踏まえて慎重に親権者を決定しましょう。

 

 

4.離婚後に同居する際の手続き

4-1.生活費や養育費について取り決めをする

離婚後に同居するなら、必ず事前に生活費の分担方法や養育費についてきちんと取り決めましょう。合意した内容は必ず「書面」にしてください。

生活費の分担をあいまいにしておくと、「事実婚」や「偽装離婚」とみなされてしまうリスクが高くなります。

4-2.世帯分離する

次に「世帯分離」の手続きをしましょう。世帯分離とは、同じ住所に住んでいても住民票上の「世帯」を分ける手続きです。

世帯が別であれば元夫と元妻の収入が合算されません。収入の少ない側は各種手当を受け取りやすくなりますし、健康保険料、税金なども低くなる可能性があります。

 

世帯分離の手続きをしたいときには、役所で世帯分離届(住民異動届)を提出しましょう。

本人確認書類と印鑑などをもって役所へ行けば手続きができます。

 

離婚するときには夫婦間で取り決めておくべき事項がたくさんあります。迷ったときにはお気軽に弁護士までご相談ください。

【離婚男女】離婚時年金分割の2つの種類とそれぞれの方法を解説

2021-07-09

離婚するとき、夫婦のどちらかが「厚生年金」に加入していたら「年金分割」の手続きをしましょう。年金分割しておけば、将来年金を受け取る年齢になったときに受給額を増やしてもらえる可能性があります。

 

ただし年金分割には2つの種類があり、それぞれ手続きの方法が異なるので正しい知識をもっておきましょう。

 

今回は離婚時年金分割の種類と方法をわかりやすく解説しますので、これから離婚する方はぜひ参考にしてみてください。

 

 

1.2種類の離婚時年金分割

年金分割とは、婚姻中に払い込んだ「年金保険料」を夫婦で分割する手続きです。離婚時に年金分割をしておけば、将来年金を受け取るときに受給額が自動調整されます。年金額が少ない方の受取額は増額され、多い方の受取額は減額される仕組みです。

 

金額の調整や支給は社会保険事務所で行われるので、受給時に相手に年金の支払いを請求する必要はありません。

 

離婚時年金分割には以下の2種類があります。

1-1.3号分割

夫婦の片方が相手の「3号被保険者」になっている場合に適用できる年金分割です。

ただし3号分割の制度が始まったのは平成20年4月以降なので、それ以降の年金保険料にしか適用されません。

 

3号分割の場合、夫婦の合意は不要で合意割合は当然に0.5(2分の1ずつ)になります。離婚後に請求者が一人で年金事務所へ行けば、3号分割の手続きができます。

 

1-2.合意分割

合意分割は、被分割者(分割される側)の合意が必要な年金分割です。

相手の合意がないと、合意分割はできません。また合意分割の場合、分割割合も0.5までの割合で自由に定められるので、合意する際に年金分割割合も決める必要があります。

 

請求者一人では手続きができないので離婚後相手と一緒に年金事務所へ行き、「標準報酬改定書」という書類を提出する必要があります。

 

1-3.3号分割が適用される場合

3号分割が適用されるのは加入期間が「平成20年4月1日以降」で、なおかつ「3号被保険者(相手の扶養に入っている)」の方です。

扶養に入っていない方や平成20年3月31日以前から婚姻している場合、合意分割が必要です。

1-4.合意分割が必要となる場合

3号分割が適用されない場合には合意分割が適用されます。

たとえば共働きでお互いが相手の扶養に入っていない場合、平成20年3月31日以前から婚姻している場合などでは合意分割しなければなりません。

 

 

2.3号分割の手続きの方法

3号分割するときには、以下の流れで進めましょう。

離婚後、年金事務所へ行く

離婚届を提出した後、必要書類をもって年金事務所へ行きましょう。

  • 年金手帳
  • 戸籍謄本
  • 印鑑

上記を持参して年金事務所へ行き「標準報酬改定請求書」に必要事項を記入して提出すれば手続きが完了します。

 

3.合意分割の手続きの方法

合意分割するときには、以下の手順で進めましょう。

3-1.年金分割情報通知書を取得する

まずは離婚前に年金事務所へ申請し「年金分割情報通知書」を取得しましょう。

3-2.相手と話し合って年金分割の合意をする

次に相手と話し合い、年金分割の合意をします。分割割合も定める必要がありますが、公平に0.5とするのがよいでしょう。また年金分割の合意内容は「離婚協議書」や「年金分割合意書」などの書面にしなければなりません。

 

3-3.離婚後に相手と一緒に年金事務所へ行く

合意分割の場合、原則的に離婚後相手と一緒に年金事務所へ行って手続きしなければなりません。必要書類は以下の通りです。

  • 請求者の年金手帳
  • 当事者の戸籍謄本または戸籍抄本
  • 年金分割の合意書

 

なお年金分割の合意書を公正証書にしておけば、被分割者が年金事務所にいく必要はありません。請求者が単独でも手続きできるメリットがあります。

 

離婚するとき、相手が厚生年金に加入しているなら必ず年金分割するようお勧めします。年金分割には「離婚後2年以内」という期限もあるので、なるべく早めに手続きしましょう。対応に迷われたときには、お気軽に弁護士までご相談ください。

【離婚男女】離婚後に年金分割(合意分割)する方法と注意点

2021-06-29

離婚するときに年金分割について取り決めをしなかった場合、「離婚後」でも年金分割できる可能性があります。ただし離婚後の年金分割には期限もあるので、注意しなければなりません。

 

今回は離婚後に年金分割する方法をお伝えしますので、離婚時に相手と話し合いができなかった方はぜひ参考にしてみてください。

 

なお3号分割の場合、相手の同意は不要ですので、離婚後に一人で年金事務所へ行けば手続きできます。そこでこの記事では、離婚後の「合意分割」の方法について解説します。

 

 

1.離婚後に合意分割する手順

離婚後に合意分割をするには、以下の流れで対応を進めましょう。

1-1.相手と話し合う

まずは離婚した元パートナーへ連絡を入れて、年金分割について話し合いましょう。

合意分割するには、相手が「年金分割すること」と「分割割合」に納得しなければなりません。分割割合は、公平に0.52分の1ずつ)とするのがよいでしょう。

 

合意ができたら「年金分割の合意書」を作成し、双方が署名押印する必要があります。その後2人で年金事務所へ行って「標準報酬改定請求書」を提出しましょう。

 

なお年金分割の合意書を「公正証書」で作成すれば、相手に年金事務所へ来てもらう必要はありません。請求者が一人で年金事務所へ行って手続きができます。

 

1-2.年金分割調停を申し立てる

相手が年金分割に応じない場合には、家庭裁判所で「年金分割調停」を申し立てる必要があります。年金分割調停は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所へ申し立てます。

必要書類と費用は以下の通りです。

必要書類

申立書

年金分割情報通知書

 

費用

1200円分の収入印紙と連絡用の郵便切手

 

調停では調停委員から相手に対し、0.5の割合で年金分割に応じるよう説得してもらえるケースが多く、相手が納得すれば調停が成立します。

調停が成立した日はそのまま帰宅し、1~3日程度で家庭裁判所から「調停調書」が送られてきます。

 

1-3.年金分割審判になる場合

調停委員が説得しても相手が年金分割に応じない場合には、手続きが「審判」に移行して裁判官が年金分割について判断します。審判ではほぼ確実に0.5の割合で年金分割を認める決定が出ると考えましょう。

 

審判が下りたら、家庭裁判所から「審判書」が送られてきます。

また審判が送達されてから当事者が異議を出さずに2週間が経過すると、審判が確定します。すると裁判所から「審判確定証明書」を発行してもらえるので、申請して取得しましょう。

 

なお調停を行わず、いきなり審判を申し立てる方法もあります。相手の態度により、手続きを使い分けましょう。

 

1-4.調停または審判後、年金事務所へ行って手続きする

調停や審判で結果が出たら、調停調書または審判書と確定証明書を持って年金事務所へ行きましょう。

調停調書や審判書で手続きを行う場合、相手方に来てもらう必要はありません。

一人で年金手帳や戸籍謄本などを持って年金事務所へ行き「標準報酬改定請求書」を提出すれば手続きが完了します。

 

2.年金分割の期限

離婚後の年金分割には期限があるので要注意です。離婚後「2年以内」に年金事務所で手続きをしなければなりません。

2-1.調停、審判で時効を止められる

離婚後2年以内に「調停」や「審判」を申し立てれば、時効の完成を猶予させることができます。もしも年金分割しないまま離婚後2年が経過しそうな状況になったら、早めに調停を申し立ててください。

 

2年以内に調停や審判を申し立てれば、手続きの最中に2年が経過しても時効は成立しません。

2-2.調停や審判後1ヶ月以内に手続きを行わねばならないケース

調停が成立するか審判が出た後で年金事務所へ行けば、年金分割の手続きができます。

ただし調停成立時や審判確定時が離婚後2年を経過している場合、「調停成立後」または「審判確定後」1ヶ月以内に手続きを行わねばなりません。

せっかく調停や審判を起こしても、決定してから1ヶ月以上放置すると年金分割を受け付けてもらえなくなるので、急いで手続きを行いましょう。

 

離婚後の年金分割には期限があるので、なるべく急いで対応する必要があります。お一人では不安がある場合、お気軽に弁護士までご相談ください。

【離婚男女】住宅ローンが残っている場合の財産分与方法

2021-06-22

住宅ローンが残っている場合、家はどのように財産分与すればよいのでしょうか?

まずはオーバーローンになっていないか調べたうえで、離婚後も家にどちらかが住み続けるのか、家を売却して清算するのかなどいろいろなことを決めなければなりません。

 

今回は住宅ローンが残っている場合の財産分与方法を弁護士が解説しますので、離婚を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

 

1.オーバーローンかアンダーローンか調べる

住宅ローンが残っている家に居住している場合、まずは「オーバーローン」か「アンダーローン」か確認しましょう。

オーバーローンとは住宅ローン残額から家の価値を引いたときに「マイナス」になる場合です。「家を売却してもローンを完済できないケース」にオーバーローンとなります。

 

アンダーローンは住宅ローン残額から家の価値を引いたときに「プラス」になる場合です。

家を売却するとローンを完済できるのがアンダーローンの状態です。

 

オーバーローンかアンダーローンか調べる方法

家がオーバーローンかアンダーローンか調べるには、以下の手順で進めてください。

残ローン額を把握する

まずは残ローン額を把握しなければなりません。金融機関から受け取っているローン償還表をみて現在のローン残高を確認しましょう。

家を査定に出す

次に「家の価値(時価)」を知る必要があります。お近くの不動産会社やネットの査定サービスを使って無料の簡易査定を依頼しましょう。

数日~1週間程度で家の査定額が明らかになります。

 

差し引き計算する

3ステップ目として、家の査定額から残ローン額を引き算します。

マイナスになればオーバーローン、プラスになればアンダーローンです。

 

2.オーバーローンの場合の財産分与

残ローン額が高額でオーバーローンになる場合、家は財産分与の対象になりません。

家は除外し、他の預貯金や保険、車などの財産についてのみ財産分与を進めます。

 

3.アンダーローンの場合の財産分与

残ローン額より家の価値が高くアンダーローンの場合、家は財産分与の対象になります。

「家の価値残ローン額」の価額が財産分与対象額となり、原則的にはその金額を夫婦2分の1ずつにします。

 

たとえば家の価値が3000万円、残ローン額が1000万円の場合、夫婦の取得分はお互いに1000万円ずつとなります(2分の1ずつの割合で分与するケース)。

夫が家を取得するなら妻へ1000万円の代償金を払うと清算できます。反対に妻が家を取得するなら夫へ1000万円を払います。

家を売却して清算するなら受け取った売却金2000万円を、夫婦で1000万円ずつに分配するとよいでしょう。

 

4.家に住み続けるか売却するか決める

住宅ローンつきの家がある場合、離婚後もどちらかが家に住み続けるのか売却するのか、検討しなければなりません。

 

4-1.どちらかが住み続ける場合の対処方法

住宅ローンを払っている側が家を取得するなら、継続して住宅ローンを払い、家に住み続けるとよいでしょう。

 

問題は住宅ローンを払っていない側が家に居住する場合です。この場合、金融機関と交渉して住宅ローン名義を変更する必要がありますが、金融機関は名義変更に簡単には応じてくれません。そのままでは居住者と所有名義や住宅ローン名義が異なる状態になってしまいます。

名義を揃えるために「住宅ローンの借り換え」が必要になるケースも多いですが、居住者に収入や資力がなければ借り換えは困難です。

結果的に住宅ローン債務者と居住者が異なってしまい、毎月住宅ローンが支払われるかどうかが不安定な状態になる可能性があります。

 

4-2.家を売却する方法

離婚後の家の処分に困ったら、家を売却しましょう。

アンダーローンなら家を売却してローンを完済できます。

 

オーバーローンのケースでも「任意売却」すれば家を売却できます。ただし残ったローンについては離婚後も継続して返済していく必要があります。

 

住宅ローンが残る家がある場合、財産分与は複雑になります。きちんと処理しておかないと、離婚後に大きなトラブルになる可能性があり、注意すべきといえるでしょう。

迷ったときには弁護士までお気軽にご相談ください。

【離婚男女】親権の決め方

2021-06-15

お子様のおられるご夫婦が離婚するなら、必ず「親権者」を決めなければなりません。

最近では、両親ともに強く親権を希望するケースが多くみられます。

 

そんなとき、どうやって親権者を決めればよいのでしょうか?

 

今回は裁判所が親権者を指定するときの判断基準や親権者を決める手順を解説します。

離婚を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

 

1.裁判所の親権者判断基準

離婚後、子どもの親権者になれるのは両親のどちらか一方のみです。

父母のどちらかを指定しなければなりません。

 

両親とも親権を希望する場合、最終的には家庭裁判所が親権者を指定します。その際には以下のような条件を満たす親に親権が認められるケースが多くなっています。

 

  • これまでの養育実績が高い
  • 子どもと一緒に過ごす時間を長くとれる
  • 夫婦が別居している場合、子どもと一緒に暮らしている親が優先
  • 子どもが愛着を持っている、関係が良好
  • 子どもが乳幼児なら母親が優先されやすい
  • 経済的な安定や良好な住環境
  • 健康状態が良い

 

特に重視されるのは、「子どもと同居していること(夫婦が別居している場合)」や「離婚後に子どもと一緒に過ごせる時間が長いこと」などです。

たとえばフルタイムで子どもとほとんど一緒に過ごせない父親などは、親権争いで不利になりやすいともいえるでしょう(ただし親権をとれないという意味ではありません)。

 

経済力は必要ですが、さほど重視はされません。たとえば母親が生活保護を受けながら親権者となるケースもあります。

 

また、子どもが15歳以上になっていたら子ども自身が親権者を選べます。

2,親権者を決める手順、流れ

親権者を決めるときには、以下の手順で進めましょう。

2-1.話し合う

まずは相手と話し合って決めるのが基本です。合意ができれば「協議離婚」が成立します。

ただし親権争いが起こっている場合、相手が子どもを連れ去ったり子どもに悪口を吹き込んだり、ときには勝手に離婚届の親権者欄を埋められて提出されたりするケースもあります。

 

相手による偽造の離婚届提出を避けるため、心配な場合には事前に役所へ行って「離婚届不受理申出」をしておきましょう。

 

2-2.離婚調停を申し立てる

話し合っても解決できない場合には、家庭裁判所で「離婚調停」を申し立てましょう。

調停で合意できれば、親権者を決めて離婚できます。

ただし調停はあくまで話し合いなので、相手に強制的に親権を放棄させることはできません。また調停委員が相手に肩入れすると、こちらに親権をあきらめるよう説得されてしまう可能性もあります。

 

1人で調停に臨むのに不安を感じるなら、弁護士に調停の代理人を依頼するとよいでしょう。

 

 

2-3.離婚訴訟を提起する

調停も不成立になってしまったら、家庭裁判所で離婚訴訟を提起しましょう。

訴訟になると、裁判所が判決で親権者を指定します。

その際には上記でご紹介したような事情をもとに親権者を決められます。

 

ただし訴訟で親権者として指定してもらうには、自分が親権者として適切であると示さねばなりません。これまでの養育実績、子どもとの関係、離婚後に予定している住環境などを示す資料を集めましょう。一日のスケジュールや養育方針についてもしっかり計画を立てる必要があります。

 

 

3.親権を獲得するために重要なこと

親権を獲得するため、以下の3点を押さえておきましょう。

 

  • 離婚前に相手と別居するなら子どもと離れない
  • できるだけ、子どもと一緒に過ごせる時間を作る
  • 親権者としてふさわしい事実を証明できる資料を集める

 

具体的に集めるべき資料についてはケースによっても異なりますので、弁護士までご相談ください。

 

 

当事務所では離婚問題に積極的に取り組んでおります。これまで地元千葉県の方々からご依頼を受けて、親権問題も数多く解決して参りました。相手が親権を強く主張していても、あきらめる必要はありません。自己判断で動くと不利になってしまうケースがあるので、お早めに弁護士までご相談いただけますと幸いです。

【離婚男女】浮気相手が慰謝料を払わない理由や対処方法

2021-06-07

夫や妻に浮気されたので浮気相手に慰謝料を請求しても、拒否されるケースが少なくありません。支払いを受けられないとき、どのように対応すればよいのでしょうか?

 

今回は不倫相手が慰謝料を払わないときによくある理由や対処方法を、法的な観点から弁護士が解説します。

配偶者の浮気にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

 

浮気相手が慰謝料を払わない理由と対処方法

浮気相手が慰謝料を払わない場合、以下のような理由にもとづくケースが多数となっています。

対処方法とともに確認しましょう。

 

1-1.お金がない

浮気相手にお金がないため、慰謝料を払えないと言ってくるケースです。

確かに浮気して悪いと思っているけれど、低収入で資産もないので数百万円などの慰謝料を払えないと主張します。

 

対処方法

法律上、お金がないからといって慰謝料支払い義務を免れるわけではありません。

ただしお金がない人に対して訴訟を起こしても、強制執行(差押え)ができず判決が「絵に描いた餅」になってしまい、あまり意味がありません。

 

まずは相手に本当にお金がないのかどうか、確かめる必要があるでしょう。相手がどういった仕事をしているのか、給料はいくらくらいなのか、資産はどの程度あるのかないのかを問いただしてみてください。

その上で本当にお金がないようであれば、分割払いの合意をしましょう。

 

なお分割払いで慰謝料の取り決めをするときには、必ず「公正証書」を作成するようお勧めします。公正証書を作成しないと、相手が途中で支払いを止めてしまうリスクが高くなるためです。

相手の勤務先も確認しておきましょう。勤務先がわかれば、相手が支払わなくなったときにすぐに給料を差し押さえられます。

 

1-2.自分に非がないと考えている、払いたくない

不倫相手が慰謝料を払わないとき「自分は悪くない」と考えているケースが少なくありません。「不倫されるような奥さん(旦那さん)が悪い」と考えて開き直るパターンです。

 

対処方法

まずは相手に「法的な慰謝料支払い義務」があることを伝え、支払うよう説得しましょう。

どうしても払わないなら訴訟を起こすしかありません。その際には、相手の勤務先や資産内容などを把握しておきたいところです。

 

弁護士が代理人となって交渉すると相手が支払いに応じやすくなるので、弁護士に依頼する方法も有効となるでしょう。

 

1-3.時効が成立している

不倫慰謝料には時効が適用されます。基本的に「不倫されたことと不倫相手を知ってから3年」が経過すれば、慰謝料は請求できなくなります。

そこで不倫から長期間が経過していると、慰謝料を拒絶される可能性が高くなります。

 

対処方法

本当に時効が成立していたら慰謝料請求は困難です。

ただし相手が時効を主張していても、本当に時効が成立しているとは限りません。

たとえば不倫に気づいた時点や不倫相手を特定した時点が遅ければ、不倫から3年以上経過していても時効が成立していない可能性があります。

まずは本当に時効が成立したといえるのか、法的な観点から精査しましょう。

 

また相手が時効を援用する前であれば、慰謝料を請求できる可能性があります。援用後であっても相手に支払い義務を認めさせれば、慰謝料を払ってもらえるケースがあるのであきらめる必要はありません。

 

こういった交渉も弁護士が行った方がスムーズに進みますので、時効を主張されて困ったときにはお気軽にご相談ください。

 

1-4.浮気をしていない

相手が浮気をしていない場合、当然慰謝料の支払いを拒否するでしょう。

実際、浮気の証拠がなければ真偽の程がわかりません。浮気で慰謝料請求する前に、しっかり浮気の証拠を掴んでおく必要があります。

弁護士にご相談いただけましたら法的に有効と認められる浮気の証拠の集め方をアドバイスしますので、相手に慰謝料請求書を送る前にお問い合わせください。

 

当事務所は配偶者に浮気された方からのご相談に積極的に対応しています。慰謝料請求をしたい方、相手が慰謝料の支払いを拒否してお困りの方がおられましたらお気軽にご相談いただけますと幸いです。

【離婚男女】不倫、浮気の慰謝料請求で注意すべき「求償権」とは?

2021-05-31

配偶者に不倫や浮気をされて慰謝料請求する際、「求償権」に注意しましょう。

求償権を軽視していると、せっかく相手から慰謝料を払ってもらってもその後配偶者に請求されて、慰謝料を取り戻されてしまうリスクが発生します。

 

今回は不倫や浮気の慰謝料請求の際に必須の知識となる「求償権」について、弁護士がわかりやすく解説します。

今後不倫相手に慰謝料請求したい方はぜひ参考にしてみてください。

 

1.求償権とは

求償権とは、連帯債務者や連帯保証人が支払いをしたとき、主債務者や他の債務者へ払いすぎた分の返還請求をする権利です。

 

わかりやすいように、連帯債務者の場合をみてみましょう。

連帯債務を負うと、すべての連帯債務者は債権の全額について支払いをしなければなりません。ただし当事者間では「負担部分」があります。自分の負担部分を超えて支払いをした場合には、他の連帯債務者へ払いすぎた分を請求できます。これが求償権です。

 

たとえばAさんとBさんが300万円の連帯債務を負っており、Aさんの負担部分が100万円、Bさんの負担部分が200万円としましょう。

このときAさんが債権者の要求で300万円払ったら、後にBさんに対して払いすぎた200万円を請求できます。

 

2.不倫慰謝料と求償権

実は不倫慰謝料も一種の「連帯債務」です。

不倫は配偶者と不倫相手が共同で行う不法行為なので、「共同不法行為」となります。

共同不法行為が成立すると、共同不法行為者は「不真正連帯債務」という連帯債務の関係になるのです。

そこで不倫した配偶者と不倫相手は、連帯して慰謝料を全額払わねばなりません。

不倫相手が慰謝料を全額払うと、自分の負担部分を超えた金額を配偶者へ求償できてしまいます。

 

不倫慰謝料の求償権を行使された具体例

たとえば夫が女性と不倫したとしましょう。妻が不倫相手に慰謝料請求して300万円の慰謝料を獲得します。しかし不倫相手の女性は後に夫へ求償権を行使して、200万円を取り戻すことができます。

そうなると、妻はせっかく300万円の慰謝料を獲得しても夫を通じて200万円を取り戻されてしまい、手元には100万円しか残らない結果となってしまいます。

 

そうなっては慰謝料請求の意義が半減するので、請求者としては求償権を封じる必要があるといえるでしょう。

 

3.求償権に注意すべきケース

浮気の慰謝料請求で特に求償権に注意しなければならないのは、「浮気されても配偶者と離婚しないケース」です。

離婚しない場合に求償権を行使されると、配偶者を通じて慰謝料を取り戻されてしまい、実質的に手元に残る慰謝料が減ってしまいます。

 

一方、配偶者と離婚するなら配偶者とは財布が別々になるのでさほど大きな影響は及びにくいでしょう。その場合でも、配偶者の手持ち資金が少なくなって慰謝料や財産分与を払ってもらいにくくなるリスクは発生します。

 

4.求償権トラブルを避ける方法

不倫相手に慰謝料請求をするとき、求償権トラブルを避ける方法は以下のとおりです。

示談締結時に求償権を放棄させる

もっとも確実なのは、示談締結時に相手に求償権を放棄させる方法です。

求償権を放棄したら、相手は後に配偶者へ支払った慰謝料を求償できません。

後に慰謝料を取り戻される心配がなくなります。

 

ただし求償権を放棄させるには、相手を説得しなければなりません。求償権放棄を合意する条件として、示談書にも求償権放棄の条項を入れましょう。

 

弁護士が代理人になっていれば、相手に強く求償権を放棄するよう説得できますし、示談書にも間違いなく求償権放棄の条項を入れることができます。後に慰謝料を取り戻されたくない場合、弁護士に慰謝料請求を依頼するとよいでしょう。

 

 

当事務所では男女トラブルの解決に力を入れて取り組んでいます。これから不倫相手に慰謝料請求する方、すでに自分で慰謝料請求を行って交渉中の方など、お気軽にご相談ください。

【離婚男女】不倫の示談書の書き方をテンプレートつきで解説!

2021-05-21

配偶者に不倫されたら、不倫相手に慰謝料を請求できます。話し合いの結果、慰謝料を払ってもらうことに決まったら「示談書」を作成しましょう。

 

とはいえ示談書をどうやって作成したらよいかわからない方も多いのではないでしょうか?

 

今回は不倫の示談書の書き方をテンプレート(書式)つきで解決しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

1.示談書とは

示談書とは、損害賠償金について当事者間で話し合って合意した内容をまとめた書面です。

いったん示談書に署名押印したら、当事者はその内容に拘束されます。

相手が約束を守らず慰謝料を支払わない場合、示談書があれば裁判を起こしたり相手の財産を差し押さえたりして取り立てることができます。

不倫されて相手から慰謝料を払ってもらう場合には、必ず示談書を作成する必要があるといえるでしょう。

 

ただし後にきちんと取り立てを行うため、示談書は正しい方法で作成しなければなりません。

 

2.不倫の示談書のテンプレート(書式、雛形)

不倫の示談書のテンプレートを示します(不倫相手のみに慰謝料請求するケース)。

示談書

 

○○○○(以下「甲」という)と○○○○(以下「乙」という)は、乙と甲の妻である○○○○(以下「丙」という)の不貞行為にもとづく甲に対する慰謝料について以下のとおり合意した。

 

第1条          乙は甲の妻である丙と不貞関係を結んだ事実を認め、甲に対して深く謝罪する。

 

第2条          乙は甲に対し、丙との不貞行為にもとづく慰謝料として、金○円の支払義務のあることを認める。

 

第3条          乙は前項の慰謝料を○年○月○日限り、以下の甲の指定する銀行口座に振り込む方法にて支払う。振込手数料は乙の負担とする。

○○銀行 ○○支店 普通預金 口座番号○○○○○○○ 口座名義人 ○○○○

 

第4条          乙は第2条、第3条の慰謝料について乙と丙との共同不法行為における乙の負担部分であることを認め、丙に対する一切の求償権を放棄する。

 

第5条          乙が第2条、第3条の慰謝料の支払を遅延した場合、甲に対して年14.6%の割合にて遅延損害金を支払う。

 

第6条          乙は本示談書締結日以降、丙に対して一切接触しないことを約束する。乙がこれに反した場合には違約金として甲に対し100万円を支払う。

 

第7条          甲及び乙は、本件不貞行為や示談の内容について一切第三者に口外しない。

 

第8条          甲および乙は本示談書にさだめるほか、相互に債権債務のないことを確認する。

 

以上、本件示談の成立を証するため、本書を2通作成し、甲乙各自署名捺印のうえ各1通ずつ保有する。

 

○年○月○日

(住所)

甲:○○○○  印

(住所)

乙:○○○○  印

 

 

3.不倫の示談書の書き方、注意点

以下では不倫の示談書を作成するときの注意点をみていきましょう。

3-1.金額や支払期限、支払い方法

慰謝料の金額は間違いなく記載し、支払期限も設定しましょう。振り込みにする場合、銀行口座も正確に記載する必要があります。

3-2.求償権の放棄

不貞に基づく慰謝料は連帯債務となるため、不倫相手から慰謝料を受け取ると、不倫相手が配偶者へ「求償権」を行使して慰謝料を取り戻す可能性があります。

配偶者と婚姻関係を続ける場合には「求償権」を放棄させる必要があるでしょう(第4条)。

 

3-3.接触禁止条項、違約金の条項

配偶者との婚姻関係を継続するなら、不倫相手と二度と接触しないように接触禁止条項を入れましょう。

約束を破って接触した場合には違約金を支払う旨定めておくと効果的です(第6条)。

3-4.秘密保持条項

不倫トラブルを周囲に広められないため、お互いに秘密保持を約する条項を定めましょう(第7条)。

3-5.清算条項

示談後のトラブルを避けるため、本件以外にお互いに債権債務関係がないと確認する清算条項を入れましょう(第8条)。

 

3-6.公正証書にする

示談書ができたら、必ず公正証書にしましょう。公正証書を作成すると、相手が支払いをしないときにすぐに差押ができて便利だからです。

公正証書がなかったら、いったん裁判をしないと差押ができません。

 

まとめ

不倫された場合の示談書は、適切な方法で作成しないと後日のトラブルにつながってしまうおそれがあります。

相手方との示談交渉も弁護士が代行できますので、配偶者の不倫にお悩みの方がおられましたらお気軽に千葉の秋山慎太郎総合法律事務所までご相談ください。

【離婚男女】離婚前に別居するとき、押さえておくべき知識を弁護士が解説

2021-05-14

離婚協議や調停を進めるときには、別居されるご夫婦が数多くおられます。同居したままでは冷静に話を進めにくく、お互いにストレスが溜まったり子どもにも悪影響を与えてしまったりするためです。

 

ただし別居する際には生活費や証拠集めなど、事前に検討しておかねばならないポイントがいくつかあります。

今回は離婚前に別居する際、押さえておきたい重要ポイントを弁護士が解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

1.別居後の生活費について

夫婦が別居する際には、別居後の「生活費」について意識すべきと考えます。

たとえば専業主婦で今まで夫の収入に頼っていた方は、別居するとたちまち生活に困ってしまう可能性があるでしょう。「本当は別居したいけれど、別居したら生活できないから仕方なく我慢している」方もおられます。

 

しかしそういったケースでも相手に「婚姻費用」を請求できるので、心配しすぎる必要はありません。

 

1-1.婚姻費用とは

婚姻費用とは、夫婦が互いに負担しあうべき生活費です。法律上、夫婦にはお互いに扶養し合うべき「生活保持義務」が認められます(民法752条)。そして、夫婦は資産や収入などの状況に応じて、お互いに相手の生活費を負担しなければなりません(民法759条)。

 

こういった法律上の義務があるため、収入の少ない配偶者は多い方の配偶者へと生活費を請求できるのです。

 

1-2.婚姻費用の取り決め方

別居後、相手に婚姻費用を払ってもらうため、別居前に夫婦で話し合って婚姻費用の金額や支払い方法を決定しましょう。通常は月1回、定額を支払います。ボーナス時に増額してもかまいません。

 

金額については合意できればいくらにしてもかまいませんが、裁判所の定める基準の額があります。そこではお互いの年収や子どもの養育状況によっても金額が変わってきます。

迷ったときにはこちらの裁判所の婚姻費用算定表を参考にして金額を定めるとよいでしょう。

https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html

 

 

2.別居前に集めておくべき証拠資料について

別居すると、夫婦がお互いに冷静になり離婚協議や調停を進めやすくなるメリットがあります。余計なストレスもかからなくなるでしょう。一方で、離婚を有利に進めるための「証拠集め」が困難になる可能性があるので、注意しなければなりません。

 

離婚の際には、さまざまな証拠が必要となります。

たとえば以下のようなものを集めなければ交渉や調停、訴訟で不利になるおそれがあるでしょう。

 

2-1.財産分与の資料

相手名義の預貯金、生命保険、社内積立、不動産や車などの資料です。

これらがなければ、財産分与の際に漏れが生じて受け取れる財産が減ってしまう可能性があります。

別居前にできるだけたくさんの資料を集めておきましょう。

コピーをとったりメモをとったりして、保存してください。

2-2.相手の収入資料

離婚の際、相手の収入も問題となる可能性があります。

たとえば婚姻費用を決めるときには相手の収入に関する情報が必要となりますし、給与明細書に書かれている社内積立や保険の引き落としによって夫婦共有財産を明らかにできるケースもあります。

相手の給与明細についてもコピーをとっておくとよいでしょう。

2-3.相手の不倫の証拠

相手が不倫していたら慰謝料を請求できますが、そのためには証拠が必要です。

写真や動画、メールやLINEのメッセージ、相手の日記やスケジュール帳の写しなど、入手できるものは確実に全て集めておいてください。

2-4.相手からDVやモラハラ被害を受けていた証拠

もしもDVやモラハラ被害を受けているなら、同居中にしか取得が難しい証拠があります。殴られたときのケガの写真、相手が怒鳴っているときの録音データ、詳細に状況を記した日記など、証拠をしっかりとっておきましょう。

 

当事務所では、これまで多数の離婚に悩む方からご相談をお受けし、解決に導いてまいりました。親身になってお話をお伺いしますので、お困りの方はお気軽にご相談ください。

 

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