【企業・顧問】労働審判を起こされたときの対処方法

従業員とのトラブルが大きくなると、「労働審判」を起こされる可能性があります。

労働審判は「話し合い」から始まりますが、最終的には裁判所で「審判」が下される手続きです。適切に対応しなければ不利な結論が出てしまうので、当初からしっかり準備して臨みましょう。

 

今回は労働審判を起こされたときの対処方法を弁護士がお伝えします。

 

労働審判の流れ

まずは労働審判の流れをみてみましょう。

 

裁判所から申立書が送られてくる

従業員側が労働審判を申し立てると、裁判所から企業宛に労働審判の申立書が送られてきます。

 

答弁書や証拠を提出

企業側が、申立内容に対する意見を答弁書にまとめて提出します。答弁書には提出期限がもうけられているので、遅れないように対応しましょう。主張を補強する証拠があれば一緒に提出できます。

 

第1回期日

申立日から40日以内に第1回期日が開かれます。裁判官や労働審判員が当事者へ質問などを行って事案の概要や争点を把握します。第1回期日で労働審判の方向性の大筋を決められるので、第一回期日への準備や対応は非常に重要です。

 

第2回、第3回期日

第2回期日では、裁判所側から当事者へ解決案が示され、当事者が納得できれば調停が成立します。第2回期日でまとまらなかった場合、第3回目の期日が開かれて調整が行われます。

 

審判

3回の期日で調停が成立しなかった場合には、審判になって裁判所が結論を下します。

当事者が双方とも異議を出さなければ審判内容が確定します。

当事者のどちらか一方でも2週間以内に異議を申し立てると「訴訟」へと移行します。

 

労働審判にかかる期間は70日程度です。

 

労働審判への対処方法

労働審判では、第1回期日においておよその方向性が決められるため、第1回期日前の準備が極めて重要です。

従業員側から提出された申立書類をしっかり精査し、間違っているところや納得できない場所がないか、確認しましょう。

 

内容確認が終わったら、「答弁書」を作成しなければなりません。自社の言い分を法律的に整えなければ裁判官や労働審判員には伝わりにくく不利になります。未払い残業代トラブル、不当解雇トラブルなど、従業員の主張内容によっても反論方法は変わってきます。法律論に従いながら、しっかりと言いたいことをまとめましょう。

答弁書と一緒に証拠も提出できるので、自社の主張に即した資料があれば一緒に提出しましょう。

 

労働審判を弁護士に依頼すべき理由

労働審判は訴訟に比べて短期間で終わりますし、手続きも比較的簡単です。中には「弁護士に依頼する必要はない」と考える企業もあるでしょう。

 

しかし労働審判は、法的な知識や専門スキルを要する手続きです。

むしろ短期間であるためにスピーディかつ凝縮した対応が必要となり、適当に構えていると著しく不利な結果が出てしまう可能性が高まります。

 

申立書を受け取ってから答弁書の提出期限までの期間は短く、準備に十分な時間をとれないケースもあります。それでも法的な主張を整理して説得的な答弁書を作成し、自社内の資料も整理して証拠提出できる準備を整えなければ不利になってしまいます。

 

弁護士がついていれば、企業の言い分を聞いて法的に整理し説得的な答弁書を作成できます。資料を整理し、必要なものを証拠提出することも可能です。

労働審判の進行中も、調停案を受け入れるべきかどうか、修正を求めるべきかどうかなどアドバイスを受けられますし、審判となった場合にも異議申し立てを行うかどうかなど助言してもらえます。

 

労働トラブルを依頼するなら、企業側の労使対策に詳しい弁護士を選びましょう。当事務所では千葉の中小事業者へ向けての法的支援に積極的に取り組んでいますので、労働審判を申し立てられたらお早めにご相談ください。

 

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