【企業・顧問】退職代行会社から連絡が来たときの対処方法

最近では、自分で退職の意思を伝えずに「退職代行会社」を利用する人が増加しています。

ある日突然、聞いたこともない退職代行会社から連絡が来たら、雇用主である企業としてはどう対応すればよいのでしょうか?

 

今回は退職代行会社についての基本知識や企業としての対処方法をお伝えします。

 

1.退職代行会社とは

退職代行会社とは、従業員の代わりに勤務先の企業へ退職意思を伝える専門業者です。

従業員が自分で会社に対して「退職する」と伝えにくい場合、退職代行会社を通じて会社に退職を申し入れて退職手続きを進めます。

 

退職代行会社は、運営母体によって以下の3種類に分けられます。

  • 独立型(無資格)

弁護士でも労働組合でもない一般企業が運営しているタイプです。単なる「使者」としてのはたらきしかできず、交渉権限はありません。

  • 労働組合型

労働組合が母体となっている退職代行サービスです。労働組合には団体交渉権があるので、企業へ交渉を申し入れてくる可能性があります。

  • 弁護士型

弁護士が運営している退職代行サービスです。弁護士には本人の代理人となって交渉する権限が認められるので、退職条件や未払い賃金等について交渉を持ちかけられる可能性があります。

 

2.退職代行会社から通知が来たときの対処方法と注意点

退職代行会社から通知が来たら、以下のような点に注意して対応しましょう。

2-1.従業員の雇用形態

まずは対象従業員との雇用契約が、有期契約か無期契約なのか、確認すべきです。

無期契約であれば従業員側はいつでも退職を申し入れることができるので、企業側は退職を受け入れざるを得ません。ただし民法では退職の申し入れ後2週間で労働契約が終了すると規定されているので、通知が来たからといってすぐに契約が終了するとは限りません(民法627条1項)。

有期契約の場合、やむを得ない事情がない限り期間の途中では退職できません(民法628条)。

有期契約社員から退職代行会社を使って通知された場合、途中退職せざるをえない事情があるか吟味する必要があります。

 

2-2.退職代行業者に権限があるか確認する

次に退職代行業者に正当な権限があるかどうか、確認しましょう。

本人が作成した委任状や退職届を提示させるべきです。

 

2-3.本人に直接連絡しない

正当な権限のある退職代行業者が間に入った場合、企業は本人へ直接連絡すべきではありません。「本人からの連絡がないと退職を認めない」と主張する会社もありますが、そういった主張は通りにくいと考えましょう。

退職代行会社が間に入ったからには、基本的には業者を通じて連絡すべきです。

 

2-4.退職代行業者の運営母体を確認する

退職代行業者の運営母体の確認も重要です。

弁護士でも労働組合でもない無資格の退職代行会社にできることは限られています。単に退職の意志を伝えるのが限度であり、残業代やその他の具体的な退職条件についての交渉はできません。交渉すると、弁護士法違反となる可能性があります。

 

一方、弁護士が代行している場合には、有給の消化や退職金、未払い賃金などさまざまな事項について交渉を持ちかけられるケースもあります。

 

相手にどこまでの権限があるのかを確認し、権限を逸脱しているようであれば弁護士会に通報するなどの対応をとりましょう。

 

2-5.退職日や引き継ぎの調整

退職通知を受け取ったからといって即時に退職が成立するわけではありません。

退職日の調整は可能です。

また、退職するなら担当業務の引き継ぎをしてもらわないと、企業側に不利益が及ぶでしょうから、退職代行業者を通じて引き継ぎを依頼してみてください。

具体的な指示事項をまとめて書面やメールで連絡するとよいでしょう。

2-6.退職の手続きを行う

あとは、以下のような退職手続きを進めます。

  • 退職届を送付させる
  • 貸与物の返還を受ける
  • 私物を返還する
  • 秘密保持や競業避止義務などの契約を締結する
  • 社会保険などの資格喪失手続きを行う
  • 離職票、源泉徴収票を交付する

 

退職代行会社からの通知に適切に対応しなかったため、トラブルにつながる事例もあります。ときには弁護士法違反が疑われる退職代行業者もあるので注意が必要です。

迷ったときには弁護士へ相談してみてください。

 

 

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