- 職場で上司からパワハラを受けている
- セクハラに遭ってうつ病になってしまった
- 会社にいられなくなって退職したが、慰謝料を請求できないのか?
勤務先でパワハラやセクハラの被害を受けている場合、加害者本人や会社に対して損害賠償請求できる可能性があります。泣き寝入りする必要はないので、勇気を出して弁護士までご相談下さい。
1.パワハラ、セクハラ被害で請求できる賠償内容
職場でパワハラやセクハラ被害に遭うと、被害者は大きな精神的損害を受けます。そこで加害者に対して慰謝料請求することができます。
またパワハラの暴行によってケガをした場合やセクハラ被害によってうつ病になった場合などには、治療や通院にかかった治療費、通院交通費、入院雑費、付添看護費用、休業損害なども請求可能です。
2.パワハラ、セクハラ被害で慰謝料請求する相手方
パワハラやセクハラの被害に遭ったとき、損害賠償請求の相手方は基本的に加害者本人です。つまり上司や同僚、社長などの「個人」が請求相手です。
ただしパワハラやセクハラが業務執行の際に行われたのであれば、会社に「使用者責任」が発生します。またパワハラやセクハラを防止するため会社が何の対策もとっていなかったケースでは、会社は職場環境を維持する義務に違反していることとなり、やはり責任を負います。これらのケースでは、会社に対しても慰謝料などの損害賠償請求ができます。
加害者本人と会社の両方に対し、同時に賠償請求するケースも多いです。
3.パワハラ、セクハラ被害で慰謝料請求するための証拠
パワハラの場合には、以下のような証拠を集めましょう。
- 怒鳴られた際の録音
- 加害者から送られてきたメールやメモなど
- 暴行を受けて病院に行った診断書
- 自分でつけていた日記や手帳の記録
セクハラの場合、以下のようなものが証拠となります。
- セクハラ発言の録音
- 加害者からの着信記録
- 加害者から送られてきたメールや手紙など
- うつ病となって病院に行った診断書
- 自分でつけていた日記や手帳の記録
4.パワハラ、セクハラの慰謝料相場
請求できる慰謝料の金額はケースにもよりますが、パワハラの場合にはだいたい50~100万円程度、セクハラの場合にはだいたい50~200万円程度となることが多いです。
ただし悪質な場合には500万円を超える支払い命令が出たケースもありますし、ケガをさせられた場合などにも賠償金が大きく増額されます。
5.慰謝料請求の流れ
パワハラやセクハラで損害賠償請求をするときには、まずは内容証明郵便を使って加害者や会社に請求書を送りましょう。
その上で、相手と話合いを進め、慰謝料などの損害賠償金額について一致点を探ります。合意ができれば合意書を作成して、その内容に従って支払いを受けます。
話合っても合意ができなければ、調停か損害賠償請求訴訟を起こします。
会社が相手の場合には、労働審判を利用することも可能です(加害者本人が相手の場合、労働審判は利用できません)。
パワハラやセクハラの被害に遭ったとき、労働者が個人でできることには限界があります。お困りの際には、お一人で悩まずに弁護士までご相談下さい。