遺言書がある場合の遺産相続手続きについて

「遺言書が見つかったけれど、勝手に開封して相続手続きを進めて良いの?」

「遺言書が偽造だと思うのだけれど、どうやって争ったら良い?」

「遺言書によって遺留分を侵害されているけれど、どうしたら取り戻せるの?」

遺産相続の場面で「遺言書」が残されている場合、遺言書のないケースとはまったく異なる流れで相続手続きが進みます。

以下では、遺言書がある場合の遺産相続手続きの流れについて、解説します。

 

1.遺言書の検認

自宅などで「自筆証書遺言」や「秘密証書遺言」が発見されたときには「遺言書の検認」が必要です。遺言書の検認とは、遺言書の状態を家庭裁判所で確認し、保存するための手続きです。検認を受けると、その後遺言書を書き換えたり破棄・隠匿したりできなくなります。

自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合、検認せずに勝手に開封すると過料の制裁も適用されます。

検認を受けるときには、家庭裁判所に申立てを行います。手続きが済むと、「検認済証明書」の発行を受けられます。

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2.遺言書の有効性の確認

遺言書の検認は、遺言書が有効であるかどうかを審査するものではありません。遺言書が偽造や変造などされていると主張するものがいれば、遺言書の有効性を確定する必要があります。

遺言書の有効性は、「遺言無効調停」や「遺言無効確認訴訟」によって決定します。

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3.遺言書に従った遺産分け

遺言書の有効性に争いがない場合や、訴訟などで遺言書の有効性が確認された場合には、遺言書に書かれた内容に従って遺産分けを行っていきます。

たとえば預貯金の払い戻しや不動産の名義書換、動産類の取得や車の名義書換、株式の名義書換などを進めます。

遺言によって遺言執行者が指定されていたら、具体的な相続手続きはその人が行います。

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4.遺言書で指定されていない遺産があったら遺産分割協議

遺言書によってすべての遺産の分け方が指定されていない場合、処分方法が決まっていない相続財産については相続人が遺産分割協議を行って分け方を決める必要があります。

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5.遺留分侵害額請求

遺言によって遺留分を侵害されている相続人がいたら、その相続人は遺留分侵害額請求を行うことができます。

遺留分侵害額請求ができるのは、相続開始と遺留分の侵害を知ってから1年間です。その間に請求が行われなければ、遺留分侵害額請求権は失われます。

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6.遺産相続手続を弁護士に依頼するメリット

遺言書がある場合でも、各場面で相続人らがトラブルになる可能性があります。たとえば遺言書の有効性が問題になって遺言無効訴訟が起こるケースもありますし、遺言執行者と他の相続人がもめてしまう例もあります。

 

そのようなとき、弁護士が法的な知識とスキルを使って対処にあたれば比較的スムーズに解決可能です。遺言書が見つかってこれからどうやって遺産分けを進めて良いか迷われているならば、一度弁護士までご相談下さい。

 

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