【不動産】共有不動産を売れないパターンや対処方法

共有不動産を売ろうとしても、他の共有者の合意がとれず売れないケースが多々あります。

そんなときには状況に応じて適切な対応をしなければなりません。

 

今回は共有不動産を売れないパターンやそれぞれのケースにおける対処方法をお伝えします。

 

 

1.共有不動産の売却には全員の合意が必要

共有不動産を売却するには、共有者全員が合意しなければなりません。

口頭だけではなく、実印や印鑑登録証明書、身分証明書なども用意してもらう必要があります。合意がとれないままでは売却を進められません。

 

共有不動産を売れないパターンも、ほとんどが他の共有者の合意をとれないケースです。

 

2.他の共有者と連絡がとれない

よくあるのは、他の共有者と連絡が取れないパターンです。

その場合、以下のように対応しましょう。

2-1.調停を申し立てる

相手の居場所はわかっているけれど無視される場合には、裁判所で調停を申し立てましょう。調停をすれば裁判所から呼出状が届くので、共有不動産売却の話を進められる可能性があります。

 

2-2.不在者財産管理人を選任する

相手が行方不明で連絡をとれない場合、家庭裁判所で「不在者財産管理人」を選任しましょう。不在者財産管理人とは、行方不明者の財産を管理する人です。選任されればその人の合意のもと、不動産の売却を進められます。

ただし本人が戻ってきて行方不明状態が解消されたときにトラブルになるリスクがあるので注意が必要です。

 

2-3.失踪宣告をする

他の共有者が行方不明となったまま7年以上の期間が経過していたら、失踪宣告も検討しましょう。失踪宣告をすると、本人は死亡した扱いとなります。

ただ、死亡すると相続が起こって本人の相続人へ共有持分が相続されてしまいます。

相続人と話し合って合意しなければ共有不動産は売れません。行方不明者の相続人と協力できそうであれば有効な選択肢となるでしょう。

 

3.他の共有者が認知症

他の共有者が認知症にかかり判断能力を失っていたら、その人が自分で共有不動産の売却を進めることができません。契約などの法律行為をするには最低限の意思能力が必要だからです。認知症が進行して意思能力すら失われていると、家庭裁判所で成年後見人を選任する必要があります。

 

成年後見人には破産者や未成年者でなければ基本的に誰でもなれます。

適切な候補者が見つからない場合、弁護士を候補者にすれば不動産の売却もスムーズに進められるので、よければご相談ください。

 

4.他の共有者が売却に合意しない

共有不動産を売れないパターンでよくあるのが、他の共有者が売却に合意しないケースです。共有者全員に売却に協力してもらえないと、不動産全体の売却はできません。

この場合、共有物分割請求をする必要があります。

 

共有物分割請求とは、裁判所で共有物の分割方法を定めてもらう手続きです。

まずは協議を行い、協議が整わないときに訴訟を起こせます。

訴訟で判決が出る場合、裁判所が共有物の分割方法を定めます。その際には以下の3種類の方法から解決策を選択されます。

 

4-1.現物分割

共有不動産が土地のケースで分筆して分ける方法です。

4-2.価額賠償

価額賠償とは、誰か1人の共有者が物件を引き取って他の共有者へ代償金を支払い、清算する方法です。ただし物件取得者に十分な資力があるなど、価額賠償が相当と判断すべき事情がないと選択されません。

 

4-3.競売

どの解決方法もとれない場合には、最終的に物件が競売にかけられます。ただし一般の不動産市場で売るより売却価額が低くなるのが一般的です。できれば自分たちで合意をして売却活動を進めた方がメリットも大きくなるでしょう。

 

 

千葉の秋山慎太郎総合法律事務所では不動産関係の案件に力を入れて取り組んでいます。共有不動産の売却や共有関係の解消に関心のある方は、お気軽にご相談ください。

 

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