【相続】遺言を拒否できるケースとは

遺言書があっても必ずしもその内容どおりに遺産分割する必要はありません。

遺言書が無効になるケースもありますし、遺言書の内容を無視できる場合もあります。

 

この記事では遺言を拒否できるケースについて、弁護士が解説します。

 

遺言書の内容に納得できない方はぜひ参考にしてみてください。

 

1.相続人が全員合意した場合

遺言書があっても、相続人全員が納得して別の遺産分割方法を選択するならば遺言書に従う必要はありません。

 

相続人同士で話し合い、遺言書どおりに遺産分割しないことに決めたら遺言書で指定された以外の方法で遺産分割できます。

 

相続人同士の合意で遺言書の内容を拒否しても、特にペナルティや罰則はありません。

 

相続人全員の合意による遺産分割が難しくなる場合

ただし相続人以外の受遺者がいる場合、相続人だけが合意しても遺言書を無視できません。

受遺者の合意も必要となります。

また遺言執行者がいる場合にも、遺言書を無視した遺産分割は難しくなります。その場合、まずは遺言執行者を解任するか辞任を促さなければならないでしょう。

 

2.遺言書が無効になる場合

遺言書が無効になる場合にも遺言書どおりに遺産分割する必要はありません。

以下でどういった状況において遺言書が無効になるのか、みてみましょう。

2-1.自筆証書遺言の要式を満たしていない

自筆証書遺言の場合、要式を満たしていないと遺言書は無効になります。

たとえば以下のようなケースです。

全文が自筆で書かれていない

自筆証書遺言は全文を遺言者が自筆しなければなりません。一部でも自筆でない箇所があると無効になります。ただし遺産目録の部分だけは自筆する必要がありません。

日付が入っていない

遺言書には日付を入れる必要があります。日付の入っていない遺言書は無効です。

署名押印が抜けている

遺言書には遺言者の署名押印が必須です。署名押印が抜けている遺言書は無効になります。

加除訂正方法が間違っている

遺言書を訂正したり加筆したりする場合には、法律に従った方式で対応しなければなりません。加除訂正方法が間違っていると遺言書は無効になります。

 

2-2.遺言書作成時に意思能力を失っていた

遺言書作成当時、遺言者が意思能力を失っていると遺言書の種類を問わず無効になります。

たとえば遺言者が強度の認知症にかかっているのに周囲の親族が無理に遺言書を書かせた場合などです。

この理由で遺言書が無効になる場合、遺言書の種類を問いません。公正証書遺言でも遺言書が無効になる場合があります。

 

2-3.詐欺や脅迫によって書かれた遺言書

周囲の人による詐欺や脅迫行為によって無理に書かされた遺言書は無効です。

2-4.偽造や変造の遺言書

周囲の親族などが勝手に偽造したり書き換えて変造したりした遺言書も無効になります。

 

遺言書が無効になる場合には「遺言無効確認」の手続きをしなければなりません。

「遺言書が有効」と主張する相続人がいたら「遺言無効確認調停」や「遺言無効確認訴訟」を提起する必要があります。

 

3.遺留分侵害額請求できるケースも

遺言書が有効でも、兄弟姉妹以外の遺留分を侵害することはできません。

遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に認められる最低限度の遺産取得割合です。

遺留分権利者は遺留分義務者に対し「遺留分侵害額請求」ができます。

遺留分侵害額請求をしても遺言書が無効になるわけではありませんが、遺留分に相当する金銭の支払いを受けられます。

遺言書の内容に納得できない場合には、遺留分侵害額請求の可否も確認してみてください。

 

まとめ

千葉県の秋山慎太郎総合法律事務所では、遺産相続のサポートに力を入れています。

遺言書の内容に納得できない場合や「遺言書が無効になるのではないか?」と考えられる場合には、お気軽にご相談ください。

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー