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【不動産】共有不動産売却の必要書類と入手方法について
不動産を共有している場合、それぞれの共有者にできることは多くはありません。
できれば不動産を売却して面倒な共有関係から外れるのが得策といえるでしょう。
ただ共有不動産を売却する際にはさまざまな書類が必要です。
今回は共有不動産を売却する際に必要な書類一覧と取得方法を弁護士が解説しますので、不動産の共有関係にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
1.共有不動作売却に必要な書類一覧
まずは共有不動産売却の際にどういった書類が必要になるのか、一覧で確認しましょう。
書類 |
取得方法 |
共有者全員の実印と印鑑登録証明書 |
市町村役場で登録、申請 |
共有不動産の全部事項証明書 |
法務局へ申請 |
共有不動産の登記済権利証(登記識別情報) |
不動産取得時に法務局から受け取っている |
共有者全員の身分証明書 |
共有者がそれぞれ用意する |
間取り図 |
不動産の取得時などに交付される |
建築確認済証・検査済証(戸建ての場合) |
戸建ての建築時に取得 |
地積測量図・境界確認書(土地が含まれる場合) |
不動産取得時やその後に境界確認を行って取得する |
マンション管理規約・使用細則(マンションの場合) |
マンション管理組合や管理会社から交付を受ける |
共有不動産の固定資産評価証明書 または市町村役場固定資産税や都市計画税の納税通知書 |
市町村役場へ申請または送られてくる |
委任状(他の共有者が立会いできない場合) |
契約に立ち会えない共有者がいる場合に用意する |
1-1.共有者全員の実印と印鑑登録証明書
まずは共有者全員の実印と印鑑登録証明書が必要です。それぞれの共有者へ声をかけて取得しましょう。
1-2.共有不動産の全部事項証明書
不動産の全部事項証明書は法務局で取得できます。
1-3.共有不動産の登記済権利証(登記識別情報)
不動産の権利証は、不動産を取得した際に共有者の代表者が受け取っています。
自分が持っていない場合、他の共有者へ保管していないか聞いてみましょう。
1-4.共有者全員の身分証明書
売却の際には共有者全員分の運転免許証などの身分証明書も必要です。
1-5.間取り図
物件の間取り図です。物件を取得した際に不動産会社から交付されるケースが多いでしょう。
1-6.建築確認済証・検査済証(戸建ての場合)
戸建の場合、建築時に建築確認済証や検査済証が交付されているはずです。不明な場合、建築業者や建築士へ問い合わせましょう。
1-7.地積測量図・境界確認書(土地が含まれる場合)
戸建てや土地を売りたい場合、境界争いが起こっていないことの証明のために地積測量図や境界確認書が必要となります。
自分が持っていなくても、他の共有者が持っている可能性があります。
まだ境界確認を行っていない場合、そのままでは物件を売りにくいので隣地所有者へ声をかけて早めに確認作業を行いましょう。
1-8.マンション管理規約・使用細則(マンションの場合)
共有のマンションを売りたい場合、マンション管理規約や使用細則の書面が必要です。
手元にない場合、マンション管理会社や管理組合へ問い合わせましょう。
1-9.共有不動産の固定資産評価証明書
不動産を売る際には、固定資産評価証明書も必要です。手元にない場合、不動産の所在する市町村役場へ申請しましょう。
2.共有不動産を売る際の注意点
不動産全部を売却するには、共有者全員の合意が必要です。合意をとれない場合には共有物分割請求をしなければなりません。お1人で対応されると、他の共有者との間でトラブルも大きくなってしまうリスクがあります。
共有不動産を売りたい方や他の共有者が売却に合意しない場合、弁護士が共有物分割の手続きをサポートいたします。秋山慎太郎総合法律事務所では不動産関係の案件に力を入れて取り組んでいますので、お悩みの方がおられましたら、お気軽にご相談ください。
【不動産】共有不動産を売却する流れ
共有不動産を売却するには、他の共有者の同意が必要です。
また同意をとった後にも他の共有者の立会いが必要など、一般的な不動産売却の流れとは異なる対応が必要になります。
今回は共有不動産を売却する流れをご説明しますので、共有物件をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。
1.共有不動産を売却する一般的な流れ
共有不動産を売却したい場合、一般的には以下のような流れで手続きを進めます。
- 共有者の合意を得る
- 不動産を査定に出す
- 不動産業者を選定して媒介契約を締結する
- 売出しや内見への対応
- 売買契約の締結
- 決済と登記への協力
- 清算
以下でそれぞれのステップについて解説を加えます。
STEP1 共有者の合意を得る
まずは他の共有者全員から共有不動産売却についての合意をとりましょう。
1人でも反対したり、連絡がとれない人がいたりすると売却手続きを進められません。
STEP2 不動産を査定に出す
次に不動産を査定に出して、どのくらいの価額で売却できるか調べましょう。
場合によっては査定書を他の共有者へ提示しながら売却を説得してもかまいません。
不動産会社によって査定額が大きく異なるケースも多いので、いくつかの不動産会社へ査定依頼を出して平均値をとるのがよいでしょう。
STEP3 不動産業者を選定して媒介契約を締結する
不動産会社から査定書が届いたら、どこの不動産会社へ売却を委任するか決めなければなりません。
委任先の不動産会社についても、共有者全員による合意が必要です。
他の共有者と話し合い、全員が納得できる不動産会社を選定しましょう。
STEP4 売出しや内見への対応
不動産会社が決まったら、物件を売り出してもらいます。
買主候補があらわれたら内見にも協力しましょう。相手が購入を希望する場合、条件交渉に入ります。
STEP5 売買契約の締結
売買の条件についても、共有者全員の合意が必要です。全員が納得できる条件が提示されたら、売買契約を締結しましょう。契約時には、基本的に共有者が全員立ち会う必要があります。
どうしても立ち会えない場合、委任状があれば第三者が代理してもかまいません。代理人には委任者の実印や印鑑登録証明書などの重要なもの、書類を預ける必要があるので、信頼できる人を選任すべきです。他の共有者でもかまいませんが、トラブルを避けるためには弁護士を選任するのが無難でしょう。
STEP6 決済と登記への協力
売買契約を締結したら、定められた日に決済を行います。
固定資産税やマンション管理費用等の清算を行い、売却金を代表者の口座で受け取りましょう。
また売主側は、買主への所有権移転登記に協力する必要があります。共有不動産の場合には共有者全員が司法書士へ委任状を書くなどの協力をしなければなりません。買主に迷惑をかけないよう、スムーズに対応しましょう。
STEP7 清算
受け取った売却代金を清算する必要があります。
共有不動産の場合には、売却代金は共有持分に応じて清算します。
たとえば3人で共有しており共有者の1人が3分の1、別の1人が6分の1、さらにもう1人が2分の1の持分を有しており、物件が2400万円で売れたとしましょう。
この場合、2分の1の持分の共有者が1200万円、3分の1の持分の共有者が800万円、6分の1の共有者が400万円を受け取ります。
清算が遅れるとトラブルのもとになるので、早めに行いましょう。
共有不動産の売却や共有関係解消は弁護士へ
共有持分を売却する際には、他の共有者から委任状をもらって進めるケースも多々あります。弁護士へ任せると全員が安心して進められるので、よければぜひご依頼ください。
また他の共有者が売却に合意しない場合、共有物分割請求を行う必要があります。訴訟になる可能性もある手続きなので、スムーズに解決するためにも法律の専門家によるサポートが必要です。千葉の秋山真太郎総合法律事務所は共有関係に積極的に取り組んでいますので、お気軽にお問い合わせください。
【借金】弁護士に依頼すると督促が止まる理由
借金がかさむと期日までに支払いができなくなって、借入先から督促を受けるケースが良くあります。
そんなとき、弁護士に債務整理を依頼すれば督促が止まり、楽に過ごせるようになる方が多数です。今回は弁護士に債務整理を依頼すると督促が止まる理由や借金返済できない場合の対処方法をお伝えします。
1.弁護士に依頼すると督促が止まる
1-1.支払いをしないと督促されてしまう
カードローンやクレジットカードなどの借り入れがある場合、期日までに支払いをしないと借入先のカード会社やローン会社などから支払いの督促があるものです。
まずは電話がかかってきて、そのうちにハガキや封書などで督促状が送られてきます。
ご家族に借金を秘密にしている方の場合、督促状を夫や妻にみられて借金トラブルを知られてしまうケースも少なくありません。
毎日のようにいろいろな業者から督促を受けると、精神的にも疲弊してしまうものです。借金を返せなくて支払い請求を受ける状態になっているなら、早めに督促を止める手立てを検討しましょう。
1-2.督促を止める方法
支払いができなくて困ったときには、弁護士に債務整理を依頼するようおすすめします。
弁護士が債務整理に着手すると、貸金業者はご本人へ直接督促できなくなるからです。
貸金業者が本人へ取り立てができなくなる根拠は「貸金業法」という法律です。
貸金業法21条1項9号には「弁護士や司法書士が債務整理に介入したあとは、債権者は債務者へ直接取り立て行為を行ってはならない」と書かれています。
よって弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると、貸金業者からの督促はピタッと止まります。銀行は貸金業者ではありませんが、貸金業法の規定を尊重するので弁護士が介入すると銀行カードローンの督促も来なくなります。
以上のように、債務整理を弁護士に依頼したときに督促が止まるのは「貸金業法」という法的な根拠のあることです。
貸金業法には罰則もありますし、違反すると業務停止などの行政処分を受ける可能性もあります。借入先が正規の業者であれば、弁護士に依頼したあとに督促が来ることはないと考えましょう。
1-3.裁判は例外
貸金業法には「弁護士が債務整理に介入した後は債権者が債務者へ直接取り立てをしてはならない」と規定されていますが、裁判による請求は例外です。
カード会社やローン会社が訴訟や支払督促を申し立てると、裁判所からご本人へ訴状や支払督促申立書などの書類が送られてきます。
こういった書類を受け取ったら、早急に反論書を作成するなど対応しなければなりません。
放置しておくと、高額な支払い命令が出て財産や給料を差し押さえられる可能性もあります。早めに弁護士へ相談しましょう。
2.借金を返せないときの対処方法
借金を返せなくて債権者から支払いの督促を受けているなら、以下のように対応してみてください。
2-1.財産を処分して支払いに回す
まずは手持ちの財産を売却処分して支払いに回す方法を検討しましょう。
たとえば保険を解約する、車を処分するなどすれば、借金の一部や全部を返せる可能性があります。
2-2.弁護士に債務整理を依頼する
売却できる財産もなく、すでに支払いの督促が次々と来ている状況であれば、早めに弁護士に依頼して債務整理しましょう。
弁護士に債務整理を依頼すると、督促が止まるだけではなく支払いも一時的にストップします。経済的にも精神的にも楽になるので、その間に家計を立て直して債務整理後の返済へ備えましょう。
千葉の秋山慎太郎総合法律事務所では、借金トラブルの解決に力を入れて取り組んでいます。カード会社や消費者金融などからの督促にお困りの方、取り立てを止めたい方、ご家族に借金トラブルを知られたくない方はお早めにご相談ください。
【借金】任意整理とは?メリット・デメリットや向いているケースについて
「任意整理はどのような手続きなのですか?メリットやデメリットを知りたいです」
「自分の場合に任意整理は向いていますか?」
こういったご相談を受けるケースがよくあります。
今回は任意整理とは何か、メリットやデメリット、おすすめする方のタイプを弁護士がご説明します。
1.任意整理とは
任意整理は債権者と交渉をして借金の返済額や返済方法について決め直し、和解する手続きです。
多くの場合、合意後に発生する「利息」を全額カットしてもらえます。
手続き後に残った負債についてはおおむね3~5年で返済するのが一般的です。
任意整理の特徴は、裁判所を介さず直接債権者と交渉する点です。必要書類も少なく柔軟に対応できるので、債務者の方にとっても大きなメリットがあるといえるでしょう。
ただし法律によって強制的に債務を減額できないので、減額できる金額には限度があります。
2.任意整理のメリット
以下で任意整理のメリットをみていきましょう。
2-1.支払総額を減額できる
任意整理をすると、債権者との合意後に発生するはずの利息が全額カットされます。
支払総額が大きく減るメリットがあるといえます。
2-2.月々の支払額も減るケースが多い
任意整理をすると、支払期間を最長5年程度にまで延ばせます。支払総額が減るのとあいまって月々の返済額も減らせるケースが多数です。
2-3.財産がなくならない
任意整理の場合、自己破産と違って財産に対する影響がありません。家も預貯金も株式もすべてもったまま債務を減らせるメリットがあります。
2-4.保証人や個人の借入先に迷惑をかけない
任意整理の場合、保証人つきの債権者を外して手続きできるので、保証人に迷惑をかけません。個人から借り入れている場合にもその人を外して手続きできるので、迷惑をかけずに済みます。
2-5.過払い金を回収できるケースもある
任意整理の手続きにおいて、過払い金が発見されるケースもあります。
過払い金を回収できる場合には借金返済も不要になります。
自分では気づかなかった過払い金を回収できるのも大きなメリットとなるでしょう。
なお過払い金が発生する可能性があるのは2008年頃以前から借り入れをしていた人です。
3.任意整理のデメリット
任意整理には以下のようなデメリットもあります。
3-1.大幅な減額が難しい
任意整理の場合、対象となる債権者と直接話し合って債務の減額に応じてもらわねばなりません。大幅な借金の減額は難しくなります。
元本まで大きく減額したいなら個人再生、借金を0にしたいなら自己破産を検討しましょう。
3-2.対応しない債権者もいる
任意整理では債権者と直接話し合って自主的に解決する必要があります。
債権者の態度が強硬で話し合いに応じる態度がなければ、任意整理は適用できません。
また話し合いが行われても決裂する可能性があります。
3-3.最低限の支払い能力が必要
任意整理後には残った借金の支払いが必要となるので、利用できるのは最低限の支払い能力のある方に限られます。まったくの無収入であれば自己破産を検討しましょう。
4.任意整理が向いている方
以下のような状況であれば任意整理で解決できる可能性が高いと考えられます。
- 負債総額が小さい
- カードローンやクレジットカード、消費者金融の借金が多い
- 失いたくない財産がある
- 保証人のついている借り入れがある
- 家賃を滞納していてまとまった支払いをしてしまいたい
- 2008年以前から借金をしている
5.借金問題は弁護士へ相談を
借金問題を抱えている場合、放置しているとどんどん状況が悪化してくるものです。
任意整理をはじめとした債務整理手続きを適用して、早めに解決しましょう。
千葉県の秋山慎太郎総合法律事務所では、借金問題に力を入れて取り組んでいますので、お困りの方はお早めにご相談ください。
【借金】債務整理を弁護士に依頼するメリット
債務整理をするときには、必ず弁護士へ依頼するようおすすめします。
自分で対応すると、思ったように借金を減額できなかったり手続きが滞ったりして失敗してしまうリスクが高くなるためです。
この記事では債務整理を弁護士に依頼するメリットをお伝えしますので、借金問題にお困りの方は是非参考にしてみてください。
1.債権者からの督促が止まる
弁護士に債務整理を依頼すると、すぐに債権者からの督促が止まるメリットがあります。
借金返済を滞納すると、カード会社などの債権者から支払いの督促が来てしまうものです。
電話がかかってきたり自宅に次々ハガキや封書が届いたりしてプレッシャーを感じる方も多いでしょう。自宅へ来た督促書を家族に見られて借金トラブルを知られる可能性もあります。
そんなとき、弁護士に債務整理を依頼したら、貸金業者や銀行からの督促は一切来なくなります。貸金業法において「弁護士が介入した後は、貸金業者は債務者へ直接取り立てをしてはならない」と規定されているためです。
債権者からの督促を止めたい方は、早めに弁護士へ債務整理を依頼しましょう。
2.適切な債務整理の方法がわかる
債務整理にはいくつかの種類があります。主に利用されるのは以下の3種類です。
2-1.任意整理
借入先の債権者と直接話し合って借金の支払額や支払い方法を決めなおす手続きです。
2-2.個人再生
裁判所へ申し立てて借金を元本ごと大きく減額してもらえる手続きです。住宅ローン返済中の家を守れる「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」も用意されています。
2-3.自己破産
裁判所へ申し立てて借金を0にしてもらえる手続きです。ただし一定以上の資産がなくなるなどのデメリットがあります。
ご自身では上記のうち、どの方法が適切かわかりにくいでしょう。弁護士に相談すると、ご本人の状況にもっとも適した債務整理の方法がわかって安心です。
3.スムーズに手続きを進められる
債務整理はどの手法であっても複雑で専門的な対応を要します。
たとえば個人再生や自己破産は裁判所を介するので、必要書類も多く厳格な手続き対応を迫られます。比較的簡単な任意整理であっても、債権者と交渉しなければなりません。素人対応では相手に言いくるめられて不利な条件で合意を迫られる可能性も高くなってしまうでしょう。
弁護士に依頼すれば、どの債務整理手続きであってもスムーズに進められるメリットがあります。
4.手間や時間を省ける
自分で債務整理をしようとすると、大変な労力がかかってしまいます。
個人再生や自己破産では必要書類も多いですし、任意整理でも取引履歴の取り寄せや利息制限法への引き直し計算、借入先との交渉などに対応しなければなりません。
弁護士に依頼するとこうした一連の作業をすべて任せられるので、依頼者に手間がかかりません。貴重な労力や時間を節約できるのも大きなメリットとなるでしょう。
5.借金問題を根本的に解決できる
借金を返せないとき、1人で悩んでいても解決は難しいものです。
債務整理に関心を持っていても、実際に取り組まなければ借金問題を解決できません。
弁護士に相談して最適な債務整理の方法を選んでもらい、手続きを進めればほとんどどのような借金トラブルでも解決できます。
嘘のように生活が変わり、人生をやり直せる方も少なくありません。
弁護士に債務整理を依頼すると、借金問題を根本的に解決できることが大きなメリットといえるでしょう。
千葉の秋山慎太郎総合法律事務所では借金トラブルの解決に力を入れています。ご相談をお受けいたしましたら、まずはどのような債務整理の手法が適切加害者アドバイスを行います。丁寧かつ迅速な対応を心がけていますので、まずはお気軽にご相談ください。
【借金】カードローンの支払いができないときの対処方法
カードローンを利用しすぎると、月々の返済が増えて支払いが苦しくなってしまう方が多数おられます。
支払いができなくなると、カード会社から督促が来て、最終的には財産を差し押さえられるリスクも発生します。
カードローンを払えないとき、放置してはなりません。
今回はカードローンを支払えないときの対処方法を弁護士がお伝えしますので、困ったときにはぜひ参考にしてください。
1.カードローンを払えない、払わないリスク
カードローンを払えない、払わないで放置すると、以下のようなリスクが発生します。
1-1.督促が来る
カードローンを期日までに払わない場合、カード会社から督促されます。電話がかかってきたり郵便が届いたりするので、プレッシャーを感じるでしょう。
家族に督促書をみられて、秘密の借金トラブルを知られるケースも少なくありません。
1-2.ブラックリスト状態になる
カードローンを支払わないと、いわゆる「ブラックリスト」の状態になってしまいます。
ブラックリストとは、個人信用情報に「事故情報」を登録されてローンやカード、キャッシングなど一切利用できない状態です。
いったんブラックリストになると、延滞状態を解消してからも5年程度は借金や分割払いができません。
1-3.訴訟を起こされる
カードローンを払わずに放置していると、カード会社から訴訟を起こされる可能性も濃厚です。
訴訟になると、裁判所から支払い命令の判決が出てしまいます。
1-4.差し押さえを受ける
判決で支払い命令が出ても支払わないで無視していると、カード会社から給料や預金などの財産を差し押さえられるリスクも発生します。そうなったらまともに生活もできなくなってしまうでしょう。
2.カードローンを払えないときの対処方法
カードローンを払えないときには、無視してはなりません。以下のように対応すべきです。
2-1.周囲に相談する
まずは支払いができない状態について、周囲に相談してみてください。1人で悩んでいても解決できません。もしも親などがサポートしてくれるなら、代わりに支払いをしてもらって後にゆっくり返済していくことも可能です。弁護士などの専門家へ相談するのもよいでしょう。
2-2.債務整理する
誰も援助してくれず自力返済も不可能であれば、債務整理で解決しましょう。
債務整理には以下の3種類があります。
任意整理
債権者と直接交渉してカードローンの支払額や返済方法を決め直す手続きです。カードローンの高額な利息を全額カットしてもらえるなどのメリットがあります。
個人再生
カードローンの支払いを元本ごと大きく減額してもらえる手続きです。カードローン以外の借金もあればまとめて減額してもらえるメリットがあります。
住宅ローン返済中の方の場合、家を失わずに借金だけ減額してもらえる「住宅ローン特則」という制度も利用できます。
自己破産
カードローンを含めた借金や未払金を基本的にすべて0円にしてもらえる手続きです。
無職無収入の方でも利用できます。
ただし一定以上の財産は失われるので、適用する際には慎重に検討しましょう。
3.債務整理を弁護士に依頼すべき理由
カードローンを払えなくて債務整理を検討するなら、弁護士に依頼しましょう。
以下で弁護士に依頼するメリットをお伝えします。
- 依頼するとすぐに債権者からの督促が止まる
- 給料差し押さえを受けている場合、止めることができる
- 労力がかからずスムーズに手続きが進む
- 精神的にも楽になる
- 弁護士費用は分割払いが可能
当事務所では借金問題の解決に力を入れており、カードローンの支払いができない方のサポートも多数行ってきた実績があります。千葉で借金トラブルにお困りの際にはお早めに秋山慎太郎総合法律事務所までご相談ください。
【不動産】定期借家契約のメリットとデメリット、設定方法について
マンションや戸建て経営を行っている方は「定期借家契約」にするとメリットを得られることがあります。
定期借家契約には普通借家契約とは異なる取り扱いが認められています。
今回は定期借家契約とはなにか、メリットやデメリット、設定方法をお伝えします。
アパートやマンション、戸建て物件を賃貸している方はぜひ参考にしてみてください。
1.定期借家契約とは
定期借家契約とは、期間が満了したときに更新せず必ず終了する建物の賃貸借契約です。
一般的な普通建物賃貸借契約の場合、期間が満了すると原則的に更新されます。大家側からの更新拒絶は正当事由がないと認められません。
一方定期借家契約の場合、期間が満了すると更新拒絶するまでもなく契約が終了します。
期間がすぎれば確実に物件を取り戻せるので、将来自分で物件を使いたい方にとってはメリットが大きな契約形態となるでしょう。
2.定期借家契約のメリット
定期借家契約には以下のようなメリットがあります。
2-1.期間が満了すると立退料なしに物件を取り戻せる
一般的な賃貸借契約の場合、期間が満了しても大家は物件を取り戻せません。
自分で使いたいと思っても自由にならないリスクがあります。
定期借家契約なら必ず物件を取り戻せますし、契約終了のために借主へ立退料を払う必要もありません。
2-2.賃料不減額特約をつけられる
普通借家契約の場合、賃料不減額特約は無効とされます。特約を定めても借主は大家に対し、賃料の減額を請求できます。
一方で定期借家契約の場合には賃料不減額特約もつけられます。
2-3.短期間の設定が可能
普通賃貸借契約では1年以下の短期に設定できません。定期借家契約であれば1年未満の短期の設定も可能です。
3.定期借家契約のデメリット
定期借家契約には以下のようなデメリットもあります。
3-1.賃料が相場より低くなるケースが多い
一般的に定期借家契約の場合、賃料は普通借家契約のケースより低くなります。時期が来たら必ず返さねばならず、借主に不利になるためです。
3-2.更新ができない
定期借家契約は更新ができません。期間満了時に継続したい場合、あらためて契約手続きをやり直す必要があります。
3-3.手続きが面倒
定期借家契約をするには必ず書面が必要です。契約書を作成しなければならないだけではなく、定期借家契約であることを説明してその旨の書面も交付しなければなりません。
4.定期借家契約が適している人
以下のような状況であれば定期借家契約を検討する価値があります。
- 一時的に使用していない物件がある
- 今は利用していないが、近年中に自己使用したり親族に使わせたりする予定の物件がある
- 将来のことはわからないが、とりあえず短期間だけ賃貸してみたい
- 賃料は相場よりも多少下がってかまわない(ローンに余裕のあるケースなど)
5.定期借家契約の締結方法
定期借家契約を締結する際、普通借家契約とは異なる手続きを取らねばなりません。
まず「契約書」の作成が必須です。口頭で定期借家契約についての合意をしても、効果は発生しません。普通借家契約扱いとなり更新拒絶できなくなってしまうので注意しましょう。
また定期借家契約時においては借主へと「契約更新がないこと」を説明し、そのことを記載した書面を交付しなければなりません。
なお定期借家契約における契約書等の書類を公正証書にする必要はありません。自分たちで作成した契約書や説明書も有効です。これらの書類は電子データによって送信することも可能とされています。
6.不動産経営はお気軽に弁護士までご相談ください
千葉の秋山慎太郎総合法律事務所では不動産オーナー様へのサポートに積極的に取り組んでいます。定期借家契約に関心のある方、普通借家契約との違いを知りたい方など、不動産経営者様はお気軽にご相談ください。
【不動産】相続登記の義務化について
不動産を相続しても、相続登記は義務ではありません(2022年時点)。ただし今後は相続登記が義務化されるので、放置していると「過料」の制裁が加えられる可能性があります。
今回は相続登記の義務化について、弁護士が解説します。
1.相続登記とは
相続登記とは、土地や建物などの不動産について、被相続人(お亡くなりになった方)から相続人(不動産を引き継ぐ人)へと名義変更する手続きです。
不動産の所有者は登記によって公示されています。ただ名義人が死亡しても当然には名義が変更されません。相続人自身が名義変更の申請をしなければならず、その手続を「相続登記」といいます。
2022年において相続登記は法的義務ではありません。ただし2024年4月以降は法改正によって義務化されます。
相続登記の義務化以降も相続登記をせずに放置していると、ペナルティが適用される可能性もあるので注意しなければなりません。
2.相続登記が義務化される背景
なぜ今のタイミングで相続登記が義務化されるのでしょうか?
それは、相続登記されずに放置された不動産が増えて社会問題となったためです。
たとえば土地の相続登記が行われないと、見かけ上は誰のものかがわかりません。取引する際にも混乱が生じますし、詐欺や二重譲渡も行われやすくなるでしょう。
また公共事業や再開発、震災からの復興事業を行う際にも、所有者不明では土地収用などができず遅れが生じてしまいます。
こういった問題を解消するため相続登記が義務化されるに至りました。
3.相続登記の義務化が適用される人
相続登記の義務化が適用されるのは、土地や建物などの不動産を相続したり遺贈されたりした人です。
相続人でない「受遺者(遺言によって不動産を受け継いだ人)」も相続登記しなければならないので注意しましょう。
孫や甥姪などの代襲相続人も相続登記に対応する必要があります。
一方、相続放棄した人や相続欠格者、相続廃除された人は不動産を相続しないので、相続登記の義務はありません。
4.相続登記の期限
改正法が施行されると、相続登記の期限はどのくらいになるのでしょうか?
相続登記は基本的に「相続人になったことを知ってから3年以内」に行わねばなりません。
3年を過ぎても放置しているとペナルティが適用される可能性があるので、急いで手続きすべきです。
5.相続登記をしなかった場合のペナルティ
期限までに相続登記をしなかった場合のペナルティは10万円以下の過料です。
具体的には簡易裁判所が過料の制裁について決定を下します。
過料は行政罰であり、刑事罰ではないので前科は付きません。ただ支払いをさせられると不利益が及ぶので、相続登記は早めに行うのが良いでしょう。
6.2024年4月までの相続について
改正法が施行されるのは2024年4月ですが、それまでに生じた相続にも改正法が適用されます。現時点で不動産を相続した人にも、2024年4月以降は義務化規定が及ぶので、他人事ではありません。
2024年4月までに相続した人に対する相続登記の期限は以下のいずれか「遅い方のタイミング」となります。
- 2024年4月1日から3年
- 相続があったことを知ったときから3年
多くのケースでは「2024年4月1日から3年後」となるでしょう。
いずれにせよ、早く登記手続きを終えていれば過料の心配はありません。
7.不動産を相続したら弁護士へご相談ください
不動産を相続すると、遺産分割や不動産の活用、売却などの場面でどういった対応をすればよいか迷われる方が多数です。不動産の分け方について他の相続人と合意できず、3年以内に決められないケースも珍しくありません。
弁護士が間に入れば自分たちだけで対応するよりもスムーズに遺産分割協議を進められる可能性が高くなります。弁護士は遺産分割協議書の作成や調停、審判のサポートにも対応できます。
千葉で不動産を相続されたら、お気軽に秋山慎太郎総合法律事務所までご相談ください。
【不動産】ペット禁止物件でペットを飼われたら契約を解除できるのか?
賃貸借契約の際に「ペット禁止」というルールを設定していても、家主に無断でペットを飼う住人が後を絶ちません。勝手にペットを飼われた場合、大家は賃貸借契約を解除して借主へ退去を求めることができるのでしょうか?
またペットを飼われると原状回復の費用が高額になる場合もあります。契約解消の際には、借主へどこまでの原状回復費用を求めることができるのかが問題となるでしょう。
今回はペット禁止物件でペットを飼われたときの解除や原状回復義務について、弁護士が解説します。
1.ペット禁止特約は有効
賃貸借契約においては、強行規定に反しない限り貸主と借主が合意して特約を定めることができます。法律上、ペット禁止特約は禁止されていないのでペット禁止規定を定めることは有効です。
ペット禁止特約がついている場合、借主がペットを飼わないのは借主の義務となるので、貸主に無断でペットを飼育してはなりません。無断で飼育すると「用法遵守義務違反」として一種の債務不履行となってしまいます。
2.ペット禁止特約違反を理由とした解除はできるのか?
借主が勝手にペットを飼育した場合、貸主は賃貸借契約を解除して借主へ退去を求められるのでしょうか?
確かに特約に違反しているので、借主には債務不履行があります。ただし賃貸借契約はお互いの強い信頼関係を前提としたものなので、解除が認められるには信頼関係が破壊されるほどの背信的行為が必要と考えられています。
たとえば借主が他の住人にも特に迷惑をかけずひっそりと室内で犬や猫を飼っていた、というだけでは信頼関係が破壊されたとはいいにくく、解除が認められない可能性が高いでしょう。
一方、多数のペットを飼って臭いや騒音を発生させて周辺住人に迷惑をかけて苦情が来ているケース、部屋を非常に汚く使って家主に大きな損害を発生させている場合などには解除が認められる可能性があります。
ペット禁止特約違反にもとづく解除が認められるかどうかはケースバイケースなので、不明なときには弁護士へ相談しましょう。
3.ペット禁止特約違反を理由とした違約金の請求は?
ペット禁止特約に違反してペットを飼育されると、貸主側が借主側へ損害賠償請求することが考えられます。
このとき「違約金」の請求はできるのでしょうか?
違約金の請求の可否は「違約金についての規定」があるかどうかによって変わります。
賃貸借契約書に違約金が発生することや金額などについて明確にされていたら、定められた違約金を請求できるでしょう。
一方、違約金に関する規定がなければ請求はできません。
賃貸借契約締結の際にペット禁止特約をつけるなら、合わせて違約金についても合意して契約書に盛り込んでおくようおすすめします。
4.ペット禁止特約に違反された場合の原状回復について
ペット禁止特約に違反された場合、高額な原状回復費用が発生することがあります。
たとえばペットによる尿や糞の臭いがしみついていたり、犬が壁や柱を噛んだり猫がひっかいたりするケースも多いでしょう。
こういった場合、どこまでの原状回復を求められるのかが問題になります。
基本的に借主は貸主に対し、物件を元の状態にして返さねばなりません。ただし経年劣化についての損耗分は原状回復義務の範囲にならないと考えられています。
ペットによって特に大きく物件が損耗した場合には、借主が負担して原状回復しなければなりません。
とはいえ違約金の定めがあれば、貸主が損害を証明しなくても賠償金や原状回復の費用を請求できます。立証の負担を軽減するためにも、ペット禁止特約をつけるなら違約金についての定めをしておくのが得策といえるでしょう。
千葉の秋山慎太郎総合法律事務所では、不動産に関する法務サポートに力を入れています。契約や借主との関係についてお悩みのある不動産オーナー様がおられましたら、お気軽にご相談ください。
【不動産】騒音を出す迷惑住人がいる場合、賃貸借契約を解除できる?
賃貸物件内に騒音を出す住人がいると、周辺住民に大きな迷惑がかかってしまいます。
アパートなどの集合物件で騒音を出す住人がいると、他の住戸の入居者が退去してしまうので賃貸オーナーにとっては大きなリスク要因となるでしょう。
今回は騒音を出す迷惑住人に対し、大家側から賃貸借契約を解除できるのか弁護士が解説します。
騒音の苦情にお困りの不動産オーナーさまはぜひ参考にしてみてください。
1.賃貸物件で騒音トラブルを放置するリスク
アパートなどの賃貸物件で騒音を出す迷惑住人を放置していると、大家には以下のようなリスクが発生します。
1-1.苦情が来る
大きな騒音を放置すると、近隣住民から大家へ苦情が来るケースが多々あります。
適切に対応しないと調停や訴訟、仮処分などの申立をされるリスクも発生します。
1-2.入居者が退去してしまう
騒音を出す迷惑住人がいると、他の入居者が住みにくくなって、賃貸アパートから退去してしまう可能性も高くなるでしょう。そうなったらアパートの収益性が落ち込み経済的にダメージも大きくなります。
1-3.新規の入居者が入らない
空き室が生じたときに新規に入居者を募ろうとしても、騒音を出す人がいるとなかなか決まらないものです。
賃料を切り下げなければならない場合もありますし、切り下げても入居者が入らないので空き室状態が続いてしまうリスクも発生します。
2.騒音トラブルを理由に賃貸借契約を解除できるのか
物件内で騒音トラブルを引き起こしている住人がいる場合、大家側から賃貸借契約を解除できる可能性があります。ただしすべてのケースではありません。
以下で解除できるケースとできないケースについて、お伝えします。
2-1.用法遵守義務違反となる場合
賃借人には、適切な方法で物件の利用をすべき「用法遵守義務」を負っています。
日常生活に必要な限度を超えて騒音を発生させると、用法遵守義務違反となると考えられます。賃貸借契約書にも「迷惑行為」を禁止すると定めるものが多数です。
そこで大家側としては、騒音を出す住人に対して用法遵守義務違反を理由に契約を解除することが考えられます。
ただし音を出したからといって、必ずしも契約を解除できるとは限りません。
周辺住人にしてみても、一定限度までの音については「やむを得ないもの」として受け入れるべきだからです。このように「我慢すべき限度」を法律上「受忍限度」といいます。
具体的にどの程度までの音であれば受忍限度内といえるかについては、個別具体的に判断されます。
2-2.騒音の基準値
事業者の出す騒音については、騒音防止法などの法律や条例によって規制されています。
概ね40~60デリベルが基準となっているので、それを超える騒音を発し続けている場合には賃貸借契約の解除も認められやすくなるでしょう。
ただし騒音防止法等の法令は、個人を直接規制するものではありません。40~60デシベルを超えていても、解除が認められない可能性もあります。
なお住人による迷惑行為がひどく、貸主と借主の信頼関係が破壊されてしまった場合には、無催告で賃貸借契約の解除ができると考えられています(東京高裁昭和61年10月28日など)。
3.騒音の苦情を受けたらすべきこと
大家が周辺住民から騒音の苦情を受けたら、以下のように対応しましょう。
3-1.証拠の収集
まずは騒音についての証拠を集めるべきです。音を出している証明ができなければ、迷惑住人に対して何も求められません。録音したり測音計で音量を測ったりしましょう。
3-2.事実関係の調査
周辺住人に聞き込みを行い、騒音が出ている頻度や時刻、音の種類や大きさなどの事実関係を調査しましょう。
3-3.改善を求める
音を出している本人に対し、騒音を発さないように注意しましょう。
3-4.法的な対応
相手に改善を求めても対応してもらえない場合、最終的に賃貸借契約の解除も検討すべきです。法的な要件を満たすかわからない場合には弁護士までご相談ください。
当事務所では、賃貸物件のオーナー様への法的支援に積極的に取り組んでいます。騒音とラブルにお悩みの方がおられましたらお気軽にお問い合わせください。
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