公正証書遺言を作成するには証人が2名、必要です。
証人は基本的に、遺言者本人が見つけなければなりません。
この記事ではどのような人が証人になれるのか、専門家に証人を依頼する際の費用、証人が見つからないときの対処方法などをお伝えします。
公正証書遺言を作成しようと考えている方は是非参考にしてみてください。
1.公正証書遺言には証人が2人必要
公正証書遺言とは、公証人に公正証書として作成してもらう遺言書です。
自筆証書遺言よりも無効になりにくく破棄や隠匿などの危険も避けやすいメリットがあるので、多くの方に利用されています。
公正証書遺言を作成するには「証人」2人の立会が必要となります。遺言内容が本当に遺言者の意思を反映したものとなっているか、第三者の視点からチェックするのが目的です。
証人になると、後日トラブルが起こって裁判になった場合に「有効な遺言である」という証言を求められる可能性もあります。
なお秘密証書遺言の場合にも証人が必要となりますが、自筆証書遺言の場合には証人は不要です。
証人は自分で用意しなければならない
公正証書遺言を作成する際、証人は基本的に遺言者本人が用意しなければなりません。
証人には遺言書を作成する当日、公証役場に来てもらう必要があります。
2.公正証書遺言の証人になれる人となれない人
公正証書遺言を作成するとき、誰に証人を依頼すれば良いのでしょうか?
以下では証人になれる人となれない人について解説します。
2-1.証人になれる人
遺言書の証人に特別な資格はありません。
弁護士や行政書士などの専門家だけではなく、一般の個人にも証人を依頼できます。親族であっても友人知人などであってもかまいません。
ただし証人になれない欠格者に該当する場合には証人を依頼できません。
2-2.証人になれない人
欠格者となって公正証書遺言の証人になれないのは、以下のような人です。
未成年者
未成年者は遺言内容を正しく把握する能力が認められません。よって公正証書遺言の証人にはなれません。
推定相続人
将来遺産相続する予定の推定相続人にも証人を依頼できません。
受遺者
遺言によって財産を取得する受遺者にも証人を依頼できません。
推定相続人や受遺者の配偶者や直系血族
推定相続人や受遺者の配偶者や直系血族も公正証書遺言の証人になれません。
公証人の配偶者や四親等内の親族、書記、使用人
証人を要求する理由として公証人による不正を防ぐ目的もあります。
そこで公証人と関係のある親族なども遺言書の証人になれません。
3.証人の依頼先が見つからない場合の対処方法
公正証書遺言を作成しようと思っても、適切な証人候補が見つからない場合があります。その場合には、公証役場で紹介してもらいましょう。
紹介を受けると1人あたり6000~7000円程度の費用がかかります。
具体的な金額は公証役場によって異なるので、個別に問い合わせてみてください。
4.専門家に証人を依頼したときにかかる費用の目安
親戚などに適当な証人候補が見つからない場合、行政書士や司法書士、弁護士などの専門家に依頼することも可能です。
そういった場合には、1人あたり1万円程度の費用がかかると考えましょう。
ただし費用は依頼する専門家の種類や依頼先の事務所によっても異なるので、詳細は依頼先の専門家に確認してください。
5.欠格者に証人を依頼すると遺言書が無効になる
間違えて証人になれないはずの欠格者に証人を依頼してしまったら、その遺言書は無効になってしまいます。たとえば利害関係のある推定相続人の親族や未成年者に依頼してしまった場合などには公正証書遺言が無効になります。そのような事態に陥らないよう、自分で証人を用意する場合にはくれぐれも慎重に証人選びをしましょう。
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