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【不動産】オーバーローンとは?調べる方法、売却の手順を解説

2022-11-28

離婚する場合や家のローン支払いが苦しい場合などには、ローンの残っている家の売却を検討するケースが少なくありません。

 

家をスムーズに売れるかどうかは「オーバーローン」か「アンダーローン」かで大きく異なってきます。

今回はオーバーローンとはどういった状態なのか、調査方法や家を売却する流れについて解説します。居住用だけではなく、投資用の物件でも基本的には同様の考え方となります。

 

ローン付きの物件を抱えている方は是非参考にしてみてください。

 

1.オーバーローンとは

オーバーローンとは、残ローン額が家の価値を上回っている状態です。

家を売ってもローンを完済できない状態と考えると良いでしょう。

この場合、名義人であっても家を勝手に売れません。

まずは借入先の金融機関へ相談し、了承をとって売却を進める必要があります。これを「任意売却」といいます。

 

家の売却金は全額ローンの残債に充てられて、残ったローンは返済しなければなりません。

 

家の価値が残ローン額を上回る「アンダーローン」の場合とは対応が大きく変わってくるので注意が必要です。

 

2.オーバーローンかどうかの調べ方

自宅や所有物件がオーバーローンかどうか調べるには、以下のように対応しましょう。

STEP1 残ローン額を把握する

まずは今の残ローン額を把握しましょう。

一般的には借り入れ先の金融機関からローン償還表が送られてきているはずです。滞納がなければそこに書かれている金額が残債の額と考えて良いでしょう。

 

償還表が手元にない場合や滞納してしまっている場合などには、借入先の金融機関へ問い合わせれば残ローン額が明らかになります。

 

STEP2 不動産会社へ査定を依頼する

次に家の価値を把握します。

不動産の評価額を簡易的に知りたい場合には、不動産会社へ簡易査定を依頼しましょう。

自宅への訪問を受ける訪問査定と資料のみで査定する机上査定がありますが、訪問査定の方が金額は正確になります。

また依頼する不動産会社によって大きく金額が変わるケースも多いので、3~5社くらいに査定依頼を出して平均値をとる方法がおすすめです。

 

STEP3 差し引き計算する

残ローン額と家の評価額が明らかになったら、差し引き計算しましょう。

 

「家の評価額-残ローン額」

 

この数字がプラスになればアンダーローン、マイナスになったらオーバーローンです。

たとえば家の評価額が2000万円、残ローン額が2400万円の場合、-400万円となるのでオーバーローン物件となります。

 

3.任意売却の流れ

ローン額が家の評価額を上回るオーバーローン物件であっても売却は可能です。

オーバーローン不動産を売る方法を「任意売却」といいます。

以下では任意売却の流れをご説明します。

 

STEP1 金融機関に打診する

まずはローン借入先の金融機関へ任意売却の打診をしましょう。

このとき、不動産会社による査定書を提示する必要があります。

媒介契約を締結しようとしている不動産会社の査定書を示すと良いでしょう。

STEP2 不動産会社と媒介契約を締結する

金融機関から任意売却の許可が出たら、不動産会社と媒介契約を締結します。

売出し価額や広告方法などについては不動産会社と相談して決めましょう。

STEP3 売り出して売却活動をする

不動産を売り出して売却活動をしてもらいます。

買主候補が現れたら売買価額などの条件を交渉します。

STEP4 売買契約を締結する

条件が整ったら不動産の売買契約を締結します。

STEP5 決済する

予定された日に決済を行い、通常はその日に所有権の移転登記を行います。

決済時、売却代金から固定資産税の清算を行って残金は残ローンの支払いにまわされるのが一般的です。

ただし売主が引っ越しをする場合、引越し費用として30万円程度出してもらえるケースもあります。

STEP6 残ローンを支払う

売却後は残ったローンを払う必要があります。任意売却の場合、分割払いが認められるケースも多いので、保証会社などと話し合ってみましょう。

 

離婚する場合やローン返済が苦しい場合、不動産投資を打ち切りたい場合など、オーバーローンかどうか調査しなければならない場面は意外と多いものです。迷われた場合にはお気軽に弁護士までご相談ください。

【不動産】共有不動産を売れないパターンや対処方法

2022-10-14

共有不動産を売ろうとしても、他の共有者の合意がとれず売れないケースが多々あります。

そんなときには状況に応じて適切な対応をしなければなりません。

 

今回は共有不動産を売れないパターンやそれぞれのケースにおける対処方法をお伝えします。

 

 

1.共有不動産の売却には全員の合意が必要

共有不動産を売却するには、共有者全員が合意しなければなりません。

口頭だけではなく、実印や印鑑登録証明書、身分証明書なども用意してもらう必要があります。合意がとれないままでは売却を進められません。

 

共有不動産を売れないパターンも、ほとんどが他の共有者の合意をとれないケースです。

 

2.他の共有者と連絡がとれない

よくあるのは、他の共有者と連絡が取れないパターンです。

その場合、以下のように対応しましょう。

2-1.調停を申し立てる

相手の居場所はわかっているけれど無視される場合には、裁判所で調停を申し立てましょう。調停をすれば裁判所から呼出状が届くので、共有不動産売却の話を進められる可能性があります。

 

2-2.不在者財産管理人を選任する

相手が行方不明で連絡をとれない場合、家庭裁判所で「不在者財産管理人」を選任しましょう。不在者財産管理人とは、行方不明者の財産を管理する人です。選任されればその人の合意のもと、不動産の売却を進められます。

ただし本人が戻ってきて行方不明状態が解消されたときにトラブルになるリスクがあるので注意が必要です。

 

2-3.失踪宣告をする

他の共有者が行方不明となったまま7年以上の期間が経過していたら、失踪宣告も検討しましょう。失踪宣告をすると、本人は死亡した扱いとなります。

ただ、死亡すると相続が起こって本人の相続人へ共有持分が相続されてしまいます。

相続人と話し合って合意しなければ共有不動産は売れません。行方不明者の相続人と協力できそうであれば有効な選択肢となるでしょう。

 

3.他の共有者が認知症

他の共有者が認知症にかかり判断能力を失っていたら、その人が自分で共有不動産の売却を進めることができません。契約などの法律行為をするには最低限の意思能力が必要だからです。認知症が進行して意思能力すら失われていると、家庭裁判所で成年後見人を選任する必要があります。

 

成年後見人には破産者や未成年者でなければ基本的に誰でもなれます。

適切な候補者が見つからない場合、弁護士を候補者にすれば不動産の売却もスムーズに進められるので、よければご相談ください。

 

4.他の共有者が売却に合意しない

共有不動産を売れないパターンでよくあるのが、他の共有者が売却に合意しないケースです。共有者全員に売却に協力してもらえないと、不動産全体の売却はできません。

この場合、共有物分割請求をする必要があります。

 

共有物分割請求とは、裁判所で共有物の分割方法を定めてもらう手続きです。

まずは協議を行い、協議が整わないときに訴訟を起こせます。

訴訟で判決が出る場合、裁判所が共有物の分割方法を定めます。その際には以下の3種類の方法から解決策を選択されます。

 

4-1.現物分割

共有不動産が土地のケースで分筆して分ける方法です。

4-2.価額賠償

価額賠償とは、誰か1人の共有者が物件を引き取って他の共有者へ代償金を支払い、清算する方法です。ただし物件取得者に十分な資力があるなど、価額賠償が相当と判断すべき事情がないと選択されません。

 

4-3.競売

どの解決方法もとれない場合には、最終的に物件が競売にかけられます。ただし一般の不動産市場で売るより売却価額が低くなるのが一般的です。できれば自分たちで合意をして売却活動を進めた方がメリットも大きくなるでしょう。

 

 

千葉の秋山慎太郎総合法律事務所では不動産関係の案件に力を入れて取り組んでいます。共有不動産の売却や共有関係の解消に関心のある方は、お気軽にご相談ください。

【不動産】共有不動産売却の必要書類と入手方法について

2022-10-07

不動産を共有している場合、それぞれの共有者にできることは多くはありません。

できれば不動産を売却して面倒な共有関係から外れるのが得策といえるでしょう。

 

ただ共有不動産を売却する際にはさまざまな書類が必要です。

 

今回は共有不動産を売却する際に必要な書類一覧と取得方法を弁護士が解説しますので、不動産の共有関係にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

 

1.共有不動作売却に必要な書類一覧

 

まずは共有不動産売却の際にどういった書類が必要になるのか、一覧で確認しましょう。

 

書類

取得方法

共有者全員の実印と印鑑登録証明書

市町村役場で登録、申請

共有不動産の全部事項証明書

法務局へ申請

共有不動産の登記済権利証(登記識別情報)

不動産取得時に法務局から受け取っている

共有者全員の身分証明書

共有者がそれぞれ用意する

間取り図

不動産の取得時などに交付される

建築確認済証・検査済証(戸建ての場合)

戸建ての建築時に取得

地積測量図・境界確認書(土地が含まれる場合)

不動産取得時やその後に境界確認を行って取得する

マンション管理規約・使用細則(マンションの場合)

マンション管理組合や管理会社から交付を受ける

共有不動産の固定資産評価証明書

または市町村役場固定資産税や都市計画税の納税通知書

市町村役場へ申請または送られてくる

委任状(他の共有者が立会いできない場合)

契約に立ち会えない共有者がいる場合に用意する

 

1-1.共有者全員の実印と印鑑登録証明書

まずは共有者全員の実印と印鑑登録証明書が必要です。それぞれの共有者へ声をかけて取得しましょう。

1-2.共有不動産の全部事項証明書

不動産の全部事項証明書は法務局で取得できます。

1-3.共有不動産の登記済権利証(登記識別情報)

不動産の権利証は、不動産を取得した際に共有者の代表者が受け取っています。

自分が持っていない場合、他の共有者へ保管していないか聞いてみましょう。

 

1-4.共有者全員の身分証明書

売却の際には共有者全員分の運転免許証などの身分証明書も必要です。

1-5.間取り図

物件の間取り図です。物件を取得した際に不動産会社から交付されるケースが多いでしょう。

 

1-6.建築確認済証・検査済証(戸建ての場合)

戸建の場合、建築時に建築確認済証や検査済証が交付されているはずです。不明な場合、建築業者や建築士へ問い合わせましょう。

 

1-7.地積測量図・境界確認書(土地が含まれる場合)

戸建てや土地を売りたい場合、境界争いが起こっていないことの証明のために地積測量図や境界確認書が必要となります。

自分が持っていなくても、他の共有者が持っている可能性があります。

まだ境界確認を行っていない場合、そのままでは物件を売りにくいので隣地所有者へ声をかけて早めに確認作業を行いましょう。

 

1-8.マンション管理規約・使用細則(マンションの場合)

共有のマンションを売りたい場合、マンション管理規約や使用細則の書面が必要です。

手元にない場合、マンション管理会社や管理組合へ問い合わせましょう。

 

1-9.共有不動産の固定資産評価証明書

不動産を売る際には、固定資産評価証明書も必要です。手元にない場合、不動産の所在する市町村役場へ申請しましょう。

 

2.共有不動産を売る際の注意点

不動産全部を売却するには、共有者全員の合意が必要です。合意をとれない場合には共有物分割請求をしなければなりません。お1人で対応されると、他の共有者との間でトラブルも大きくなってしまうリスクがあります。

 

共有不動産を売りたい方や他の共有者が売却に合意しない場合、弁護士が共有物分割の手続きをサポートいたします。秋山慎太郎総合法律事務所では不動産関係の案件に力を入れて取り組んでいますので、お悩みの方がおられましたら、お気軽にご相談ください。

【不動産】共有不動産を売却する流れ

2022-09-29

共有不動産を売却するには、他の共有者の同意が必要です。

また同意をとった後にも他の共有者の立会いが必要など、一般的な不動産売却の流れとは異なる対応が必要になります。

 

今回は共有不動産を売却する流れをご説明しますので、共有物件をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。

 

1.共有不動産を売却する一般的な流れ

共有不動産を売却したい場合、一般的には以下のような流れで手続きを進めます。

  • 共有者の合意を得る
  • 不動産を査定に出す
  • 不動産業者を選定して媒介契約を締結する
  • 売出しや内見への対応
  • 売買契約の締結
  • 決済と登記への協力
  • 清算

以下でそれぞれのステップについて解説を加えます。

 

STEP1 共有者の合意を得る

まずは他の共有者全員から共有不動産売却についての合意をとりましょう。

1人でも反対したり、連絡がとれない人がいたりすると売却手続きを進められません。

 

STEP2 不動産を査定に出す

次に不動産を査定に出して、どのくらいの価額で売却できるか調べましょう。

場合によっては査定書を他の共有者へ提示しながら売却を説得してもかまいません。

 

不動産会社によって査定額が大きく異なるケースも多いので、いくつかの不動産会社へ査定依頼を出して平均値をとるのがよいでしょう。

 

STEP3 不動産業者を選定して媒介契約を締結する

不動産会社から査定書が届いたら、どこの不動産会社へ売却を委任するか決めなければなりません。

委任先の不動産会社についても、共有者全員による合意が必要です。

他の共有者と話し合い、全員が納得できる不動産会社を選定しましょう。

 

STEP4 売出しや内見への対応

不動産会社が決まったら、物件を売り出してもらいます。

買主候補があらわれたら内見にも協力しましょう。相手が購入を希望する場合、条件交渉に入ります。

 

STEP5 売買契約の締結

売買の条件についても、共有者全員の合意が必要です。全員が納得できる条件が提示されたら、売買契約を締結しましょう。契約時には、基本的に共有者が全員立ち会う必要があります。

 

どうしても立ち会えない場合、委任状があれば第三者が代理してもかまいません。代理人には委任者の実印や印鑑登録証明書などの重要なもの、書類を預ける必要があるので、信頼できる人を選任すべきです。他の共有者でもかまいませんが、トラブルを避けるためには弁護士を選任するのが無難でしょう。

 

STEP6 決済と登記への協力

売買契約を締結したら、定められた日に決済を行います。

固定資産税やマンション管理費用等の清算を行い、売却金を代表者の口座で受け取りましょう。

また売主側は、買主への所有権移転登記に協力する必要があります。共有不動産の場合には共有者全員が司法書士へ委任状を書くなどの協力をしなければなりません。買主に迷惑をかけないよう、スムーズに対応しましょう。

 

STEP7 清算

受け取った売却代金を清算する必要があります。

共有不動産の場合には、売却代金は共有持分に応じて清算します。

たとえば3人で共有しており共有者の1人が3分の1、別の1人が6分の1、さらにもう1人が2分の1の持分を有しており、物件が2400万円で売れたとしましょう。

この場合、2分の1の持分の共有者が1200万円、3分の1の持分の共有者が800万円、6分の1の共有者が400万円を受け取ります。

 

清算が遅れるとトラブルのもとになるので、早めに行いましょう。

 

共有不動産の売却や共有関係解消は弁護士へ

共有持分を売却する際には、他の共有者から委任状をもらって進めるケースも多々あります。弁護士へ任せると全員が安心して進められるので、よければぜひご依頼ください。

 

また他の共有者が売却に合意しない場合、共有物分割請求を行う必要があります。訴訟になる可能性もある手続きなので、スムーズに解決するためにも法律の専門家によるサポートが必要です。千葉の秋山真太郎総合法律事務所は共有関係に積極的に取り組んでいますので、お気軽にお問い合わせください。

【不動産】定期借家契約のメリットとデメリット、設定方法について

2022-08-03

マンションや戸建て経営を行っている方は「定期借家契約」にするとメリットを得られることがあります。

定期借家契約には普通借家契約とは異なる取り扱いが認められています。

今回は定期借家契約とはなにか、メリットやデメリット、設定方法をお伝えします。

 

アパートやマンション、戸建て物件を賃貸している方はぜひ参考にしてみてください。

 

1.定期借家契約とは

定期借家契約とは、期間が満了したときに更新せず必ず終了する建物の賃貸借契約です。

 

一般的な普通建物賃貸借契約の場合、期間が満了すると原則的に更新されます。大家側からの更新拒絶は正当事由がないと認められません。

 

一方定期借家契約の場合、期間が満了すると更新拒絶するまでもなく契約が終了します。

 

期間がすぎれば確実に物件を取り戻せるので、将来自分で物件を使いたい方にとってはメリットが大きな契約形態となるでしょう。

 

2.定期借家契約のメリット

定期借家契約には以下のようなメリットがあります。

2-1.期間が満了すると立退料なしに物件を取り戻せる

一般的な賃貸借契約の場合、期間が満了しても大家は物件を取り戻せません。

自分で使いたいと思っても自由にならないリスクがあります。

定期借家契約なら必ず物件を取り戻せますし、契約終了のために借主へ立退料を払う必要もありません。

 

 

2-2.賃料不減額特約をつけられる

普通借家契約の場合、賃料不減額特約は無効とされます。特約を定めても借主は大家に対し、賃料の減額を請求できます。

 

一方で定期借家契約の場合には賃料不減額特約もつけられます。

2-3.短期間の設定が可能

普通賃貸借契約では1年以下の短期に設定できません。定期借家契約であれば1年未満の短期の設定も可能です。

 

3.定期借家契約のデメリット

定期借家契約には以下のようなデメリットもあります。

3-1.賃料が相場より低くなるケースが多い

一般的に定期借家契約の場合、賃料は普通借家契約のケースより低くなります。時期が来たら必ず返さねばならず、借主に不利になるためです。

3-2.更新ができない

定期借家契約は更新ができません。期間満了時に継続したい場合、あらためて契約手続きをやり直す必要があります。

3-3.手続きが面倒

定期借家契約をするには必ず書面が必要です。契約書を作成しなければならないだけではなく、定期借家契約であることを説明してその旨の書面も交付しなければなりません。

 

4.定期借家契約が適している人

以下のような状況であれば定期借家契約を検討する価値があります。

 

  • 一時的に使用していない物件がある
  • 今は利用していないが、近年中に自己使用したり親族に使わせたりする予定の物件がある
  • 将来のことはわからないが、とりあえず短期間だけ賃貸してみたい
  • 賃料は相場よりも多少下がってかまわない(ローンに余裕のあるケースなど)

 

5.定期借家契約の締結方法

定期借家契約を締結する際、普通借家契約とは異なる手続きを取らねばなりません。

 

まず「契約書」の作成が必須です。口頭で定期借家契約についての合意をしても、効果は発生しません。普通借家契約扱いとなり更新拒絶できなくなってしまうので注意しましょう。

また定期借家契約時においては借主へと「契約更新がないこと」を説明し、そのことを記載した書面を交付しなければなりません。

 

なお定期借家契約における契約書等の書類を公正証書にする必要はありません。自分たちで作成した契約書や説明書も有効です。これらの書類は電子データによって送信することも可能とされています。

 

6.不動産経営はお気軽に弁護士までご相談ください

千葉の秋山慎太郎総合法律事務所では不動産オーナー様へのサポートに積極的に取り組んでいます。定期借家契約に関心のある方、普通借家契約との違いを知りたい方など、不動産経営者様はお気軽にご相談ください。

 

【不動産】相続登記の義務化について

2022-07-28

不動産を相続しても、相続登記は義務ではありません(2022年時点)。ただし今後は相続登記が義務化されるので、放置していると「過料」の制裁が加えられる可能性があります。

 

今回は相続登記の義務化について、弁護士が解説します。

 

1.相続登記とは

相続登記とは、土地や建物などの不動産について、被相続人(お亡くなりになった方)から相続人(不動産を引き継ぐ人)へと名義変更する手続きです。

 

不動産の所有者は登記によって公示されています。ただ名義人が死亡しても当然には名義が変更されません。相続人自身が名義変更の申請をしなければならず、その手続を「相続登記」といいます。

 

2022年において相続登記は法的義務ではありません。ただし2024年4月以降は法改正によって義務化されます。

 

相続登記の義務化以降も相続登記をせずに放置していると、ペナルティが適用される可能性もあるので注意しなければなりません。

 

2.相続登記が義務化される背景

なぜ今のタイミングで相続登記が義務化されるのでしょうか?

 

それは、相続登記されずに放置された不動産が増えて社会問題となったためです。

たとえば土地の相続登記が行われないと、見かけ上は誰のものかがわかりません。取引する際にも混乱が生じますし、詐欺や二重譲渡も行われやすくなるでしょう。

 

また公共事業や再開発、震災からの復興事業を行う際にも、所有者不明では土地収用などができず遅れが生じてしまいます。

 

こういった問題を解消するため相続登記が義務化されるに至りました。

 

3.相続登記の義務化が適用される人

相続登記の義務化が適用されるのは、土地や建物などの不動産を相続したり遺贈されたりした人です。

相続人でない「受遺者(遺言によって不動産を受け継いだ人)」も相続登記しなければならないので注意しましょう。

孫や甥姪などの代襲相続人も相続登記に対応する必要があります。

 

一方、相続放棄した人や相続欠格者、相続廃除された人は不動産を相続しないので、相続登記の義務はありません。

 

4.相続登記の期限

改正法が施行されると、相続登記の期限はどのくらいになるのでしょうか?

 

相続登記は基本的に「相続人になったことを知ってから3年以内」に行わねばなりません。

3年を過ぎても放置しているとペナルティが適用される可能性があるので、急いで手続きすべきです。

 

5.相続登記をしなかった場合のペナルティ

 

期限までに相続登記をしなかった場合のペナルティは10万円以下の過料です。

具体的には簡易裁判所が過料の制裁について決定を下します。

過料は行政罰であり、刑事罰ではないので前科は付きません。ただ支払いをさせられると不利益が及ぶので、相続登記は早めに行うのが良いでしょう。

 

6.2024年4月までの相続について

改正法が施行されるのは2024年4月ですが、それまでに生じた相続にも改正法が適用されます。現時点で不動産を相続した人にも、2024年4月以降は義務化規定が及ぶので、他人事ではありません。

 

2024年4月までに相続した人に対する相続登記の期限は以下のいずれか「遅い方のタイミング」となります。

 

  • 2024年4月1日から3年
  • 相続があったことを知ったときから3年

 

多くのケースでは「2024年4月1日から3年後」となるでしょう。

 

いずれにせよ、早く登記手続きを終えていれば過料の心配はありません。

 

7.不動産を相続したら弁護士へご相談ください

不動産を相続すると、遺産分割や不動産の活用、売却などの場面でどういった対応をすればよいか迷われる方が多数です。不動産の分け方について他の相続人と合意できず、3年以内に決められないケースも珍しくありません。

 

弁護士が間に入れば自分たちだけで対応するよりもスムーズに遺産分割協議を進められる可能性が高くなります。弁護士は遺産分割協議書の作成や調停、審判のサポートにも対応できます。

 

千葉で不動産を相続されたら、お気軽に秋山慎太郎総合法律事務所までご相談ください。

【不動産】ペット禁止物件でペットを飼われたら契約を解除できるのか?

2022-07-21

賃貸借契約の際に「ペット禁止」というルールを設定していても、家主に無断でペットを飼う住人が後を絶ちません。勝手にペットを飼われた場合、大家は賃貸借契約を解除して借主へ退去を求めることができるのでしょうか?

またペットを飼われると原状回復の費用が高額になる場合もあります。契約解消の際には、借主へどこまでの原状回復費用を求めることができるのかが問題となるでしょう。

 

今回はペット禁止物件でペットを飼われたときの解除や原状回復義務について、弁護士が解説します。

 

1.ペット禁止特約は有効

賃貸借契約においては、強行規定に反しない限り貸主と借主が合意して特約を定めることができます。法律上、ペット禁止特約は禁止されていないのでペット禁止規定を定めることは有効です。

 

ペット禁止特約がついている場合、借主がペットを飼わないのは借主の義務となるので、貸主に無断でペットを飼育してはなりません。無断で飼育すると「用法遵守義務違反」として一種の債務不履行となってしまいます。

 

2.ペット禁止特約違反を理由とした解除はできるのか?

借主が勝手にペットを飼育した場合、貸主は賃貸借契約を解除して借主へ退去を求められるのでしょうか?

 

確かに特約に違反しているので、借主には債務不履行があります。ただし賃貸借契約はお互いの強い信頼関係を前提としたものなので、解除が認められるには信頼関係が破壊されるほどの背信的行為が必要と考えられています。

 

たとえば借主が他の住人にも特に迷惑をかけずひっそりと室内で犬や猫を飼っていた、というだけでは信頼関係が破壊されたとはいいにくく、解除が認められない可能性が高いでしょう。

 

一方、多数のペットを飼って臭いや騒音を発生させて周辺住人に迷惑をかけて苦情が来ているケース、部屋を非常に汚く使って家主に大きな損害を発生させている場合などには解除が認められる可能性があります。

 

ペット禁止特約違反にもとづく解除が認められるかどうかはケースバイケースなので、不明なときには弁護士へ相談しましょう。

 

3.ペット禁止特約違反を理由とした違約金の請求は?

ペット禁止特約に違反してペットを飼育されると、貸主側が借主側へ損害賠償請求することが考えられます。

このとき「違約金」の請求はできるのでしょうか?

 

違約金の請求の可否は「違約金についての規定」があるかどうかによって変わります。

賃貸借契約書に違約金が発生することや金額などについて明確にされていたら、定められた違約金を請求できるでしょう。

一方、違約金に関する規定がなければ請求はできません。

 

賃貸借契約締結の際にペット禁止特約をつけるなら、合わせて違約金についても合意して契約書に盛り込んでおくようおすすめします。

 

4.ペット禁止特約に違反された場合の原状回復について

ペット禁止特約に違反された場合、高額な原状回復費用が発生することがあります。

たとえばペットによる尿や糞の臭いがしみついていたり、犬が壁や柱を噛んだり猫がひっかいたりするケースも多いでしょう。

こういった場合、どこまでの原状回復を求められるのかが問題になります。

 

基本的に借主は貸主に対し、物件を元の状態にして返さねばなりません。ただし経年劣化についての損耗分は原状回復義務の範囲にならないと考えられています。

ペットによって特に大きく物件が損耗した場合には、借主が負担して原状回復しなければなりません。

 

とはいえ違約金の定めがあれば、貸主が損害を証明しなくても賠償金や原状回復の費用を請求できます。立証の負担を軽減するためにも、ペット禁止特約をつけるなら違約金についての定めをしておくのが得策といえるでしょう。

 

千葉の秋山慎太郎総合法律事務所では、不動産に関する法務サポートに力を入れています。契約や借主との関係についてお悩みのある不動産オーナー様がおられましたら、お気軽にご相談ください。

【不動産】騒音を出す迷惑住人がいる場合、賃貸借契約を解除できる?

2022-07-15

賃貸物件内に騒音を出す住人がいると、周辺住民に大きな迷惑がかかってしまいます。

アパートなどの集合物件で騒音を出す住人がいると、他の住戸の入居者が退去してしまうので賃貸オーナーにとっては大きなリスク要因となるでしょう。

 

今回は騒音を出す迷惑住人に対し、大家側から賃貸借契約を解除できるのか弁護士が解説します。

 

騒音の苦情にお困りの不動産オーナーさまはぜひ参考にしてみてください。

 

1.賃貸物件で騒音トラブルを放置するリスク

アパートなどの賃貸物件で騒音を出す迷惑住人を放置していると、大家には以下のようなリスクが発生します。

1-1.苦情が来る

大きな騒音を放置すると、近隣住民から大家へ苦情が来るケースが多々あります。

適切に対応しないと調停や訴訟、仮処分などの申立をされるリスクも発生します。

 

1-2.入居者が退去してしまう

騒音を出す迷惑住人がいると、他の入居者が住みにくくなって、賃貸アパートから退去してしまう可能性も高くなるでしょう。そうなったらアパートの収益性が落ち込み経済的にダメージも大きくなります。

 

1-3.新規の入居者が入らない

空き室が生じたときに新規に入居者を募ろうとしても、騒音を出す人がいるとなかなか決まらないものです。

賃料を切り下げなければならない場合もありますし、切り下げても入居者が入らないので空き室状態が続いてしまうリスクも発生します。

 

2.騒音トラブルを理由に賃貸借契約を解除できるのか

物件内で騒音トラブルを引き起こしている住人がいる場合、大家側から賃貸借契約を解除できる可能性があります。ただしすべてのケースではありません。

以下で解除できるケースとできないケースについて、お伝えします。

 

2-1.用法遵守義務違反となる場合

賃借人には、適切な方法で物件の利用をすべき「用法遵守義務」を負っています。

 

日常生活に必要な限度を超えて騒音を発生させると、用法遵守義務違反となると考えられます。賃貸借契約書にも「迷惑行為」を禁止すると定めるものが多数です。

そこで大家側としては、騒音を出す住人に対して用法遵守義務違反を理由に契約を解除することが考えられます。

 

ただし音を出したからといって、必ずしも契約を解除できるとは限りません。

周辺住人にしてみても、一定限度までの音については「やむを得ないもの」として受け入れるべきだからです。このように「我慢すべき限度」を法律上「受忍限度」といいます。

 

具体的にどの程度までの音であれば受忍限度内といえるかについては、個別具体的に判断されます。

 

2-2.騒音の基準値

事業者の出す騒音については、騒音防止法などの法律や条例によって規制されています。

概ね40~60デリベルが基準となっているので、それを超える騒音を発し続けている場合には賃貸借契約の解除も認められやすくなるでしょう。

 

ただし騒音防止法等の法令は、個人を直接規制するものではありません。40~60デシベルを超えていても、解除が認められない可能性もあります。

 

 

なお住人による迷惑行為がひどく、貸主と借主の信頼関係が破壊されてしまった場合には、無催告で賃貸借契約の解除ができると考えられています(東京高裁昭和61年10月28日など)。

 

3.騒音の苦情を受けたらすべきこと

大家が周辺住民から騒音の苦情を受けたら、以下のように対応しましょう。

3-1.証拠の収集

まずは騒音についての証拠を集めるべきです。音を出している証明ができなければ、迷惑住人に対して何も求められません。録音したり測音計で音量を測ったりしましょう。

3-2.事実関係の調査

周辺住人に聞き込みを行い、騒音が出ている頻度や時刻、音の種類や大きさなどの事実関係を調査しましょう。

3-3.改善を求める

音を出している本人に対し、騒音を発さないように注意しましょう。

 

3-4.法的な対応

相手に改善を求めても対応してもらえない場合、最終的に賃貸借契約の解除も検討すべきです。法的な要件を満たすかわからない場合には弁護士までご相談ください。

 

当事務所では、賃貸物件のオーナー様への法的支援に積極的に取り組んでいます。騒音とラブルにお悩みの方がおられましたらお気軽にお問い合わせください。

【不動産】夫が死亡して妻が物件を使用したら賃借権の無断譲渡で解除できる?内縁の妻の場合は?

2022-06-13

「夫婦に物件を貸して夫が賃借人になっていたのですが、夫が死亡して妻や子どもが居住し続けています。物件の転貸借や賃借権の譲渡となって契約を解除できるのでしょうか?」

 

こういったご相談を受けるケースが少なくありません。

結論的に、相続人が物件を使用するなら解除は困難です。内縁の妻の場合でも保護されるので、退去を求めるのは難しいでしょう。

 

今回は夫婦が賃貸物件に入居している際に一方が死亡した場合の法的な考え方を解説します。賃貸物件のオーナーの方は是非参考にしてみてください。

 

1.配偶者が死亡すると賃借権は相続される

夫婦に物件を賃貸している際に名義人となっている夫婦の一方が死亡すると、「賃借権」が遺された配偶者へと引き継がれます。賃借人の地位は「相続」の対象になるからです。

 

たとえば賃貸借契約の名義人となっている夫が死亡して妻が遺された場合、妻は夫の地位を引き継ぐので妻が賃借人となります。「賃借権の無断譲渡」や「転貸」には該当しません。

相続には賃貸人の承諾も不要です。

 

よって夫婦のうち一方が死亡して他方が引き続き物件を利用していても債務不履行にはならず、大家側が契約を解除したり明渡し請求したりできません。

 

2.大家からの「更新拒絶」も難しい

夫が死亡して妻が賃借権を相続した場合、その後に契約期間が終了したら「更新拒絶」して退去を求められるのでしょうか?

 

普通賃貸借契約では、契約期間が満了しても更新されるのが原則です。大家が更新を拒絶するには「正当事由」が必要となります。法律上、借主は強く保護されるので正当事由は非常に厳しく判断されます。

単に「もともとの賃借人が死亡して配偶者が賃借権を相続した」だけでは、更新拒絶の正当事由になりません。

 

一方、以下のような事情があれば、更新拒絶の正当事由が認められやすくなるでしょう。

  • 相続開始後、妻は実家で生活することが多くほとんど物件を利用していない
  • 物件が老朽化しており、このままでは倒壊の危険が高い
  • 大家側において、どうしてもその物件に居住する必要がある

 

名義変更料も請求できない

もともとの契約者が死亡して相続人に賃借権が移った場合、名義変更料も請求できません。

当然のように請求するとトラブルになる可能性もあるので注意しましょう。

 

3.内縁の妻の場合

賃貸していた相手が内縁の夫婦だった場合には、大家は賃貸借契約を解除できるのでしょうか?

 

内縁の夫婦とは、婚姻届を提出せずに事実上の婚姻生活を営んでいる夫婦です。

内縁の夫婦には遺産相続権が認められません。配偶者が死亡しても、賃借権を相続できないのです。

 

そうであれば、内縁の夫婦の一方が死亡したら、大家は遺された配偶者へ退去を求められるようにも思えます。

しかし借地借家法第36条では、被相続人と同居していた内縁の配偶者が保護されています。

 

借地借家法36条

居住の用に供する建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合において、その当時婚姻又は縁組の届出をしていないが、建物の賃借人と事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった同居者があるときは、その同居者は、建物の賃借人の権利義務を承継する。ただし、相続人なしに死亡したことを知った後、1月以内に建物の賃貸人に反対の意思を表示したときは、この限りではない。

 

このように相続人がいない場合、内縁の配偶者は「賃借人の権利義務を承継する」ため、賃借権の無断譲渡にはなりません。大家が債務不履行によって契約を解除することはできないと考えましょう。

 

亡くなった人に他に子どもなどの相続人がいる場合でも、内縁の配偶者は相続人の賃借権を「援用」できると考えられています。やはり大家から退去請求することはできません。

 

不動産を賃貸していると、物件の利用者が変更されたり死亡したりして、対応に迷ってしまう方が多数おられます。千葉の秋山真太郎総合法律事務所では不動産分野に力を入れて取り組んでいますので、お悩みごとがありましたらお気軽にご相談ください。

【不動産】賃貸借契約の債務不履行解除ができるパターン

2022-06-06

建物を賃貸している場合、大家の都合で自由に解約できません。契約期間が終了しても継続するのが前提となり、更新を拒絶するにも厳しい「正当事由」の要件を満たす必要があります。

 

ただし賃借人に債務不履行があれば、大家側から一方的に賃貸借契約の解除ができる場合があります。

 

今回は賃貸借契約を債務不履行解除できるパターンをご紹介しますので、不良な賃借人にお悩みの不動産オーナー様はぜひ参考にしてみてください。

 

1.債務不履行解除とは

契約終了の正当事由がなくても、借主側に債務不履行があれば大家側から解除できるケースが多々あります。

債務不履行とは、契約上の義務を果たさないことです。

 

賃貸借契約は当事者同士の信頼関係にもとづいた契約であり、簡単には解除が認められません。ただし信頼関係を破壊するほどの背信的行為があれば、大家の側から契約を解除できるのです。

 

以下では借主の債務不履行により、大家側から賃貸借契約を解除できるパターンについてみていきましょう。

 

2.賃料を滞納された

賃料不払いは、借主における債務不履行の典型的なケースです。

賃貸借契約において、借主が賃料を払うのは契約の根幹となる重要な義務であり、賃料を払わないなら「債務不履行」と言わざるを得ません。

ただし、賃貸借契約は当事者同士の強い信頼関係にもとづいた契約であり、1か月分の賃料を滞納したからといって背信的行為とまではいえません。最低3か月分以上は滞納しなければ、解除は難しいと考えましょう。

 

また物件に欠陥があったり壊れたりしているにもかかわらず賃貸人が修繕しない場合など、借主側に「賃料を払わない正当な事情」があると、賃料が払われていなくても解除できない場合があります。

 

3.無断で転貸、譲渡された

2つ目は、借主が貸主に無断で物件を第三者へ転貸した場合や賃借権を譲渡したケースです。

賃貸借契約において、「借主が誰か」は非常に重要なポイントです。利用者を信頼しているからこそ貸主は物件を貸しつけるものだからです。

よって民法においても、不動産の賃借人は賃貸人の承諾を得ない限り、賃借権を譲渡したり転貸したりしてはならない、と規定されています(民法612条)。

それにもかかわらず大家に無断で第三者へ転貸したり賃借権を譲渡したりすると、大家に対する背信的行為となって信頼関係を破壊してしまうでしょう。

 

そこで無断転貸や賃借権の譲渡が行われた場合には、大家は債務不履行にもとづいて賃貸借契約を解除し、相手へ退去を請求できます。

 

ただし賃借人と転貸人が実質的に同一でどちらが利用しても物件の使用状況に変わりない場合など、一定のケースでは無断で転貸しても債務不履行とならないことがあります。

 

 

4.定められた用法を守らない

不動産を賃貸するときには、一定の用法を定めるものです。

たとえば居住用物件であれば店舗や事業所としての利用ができません。

ペット禁止物件であればペットを飼育すると契約違反となりますし、楽器を禁止する物件であれば楽器演奏が契約違反、学生の単身マンションであれば同居人と一緒に住むと契約違反となるでしょう。

 

このように、定められた用法に反する使用方法をすると、賃借人の債務不履行となります。

 

ただし賃貸借契約は当事者同士の強い信頼関係にもとづくものであり、軽い用法違反があったからといってすべてのケースで解除できるとは限りません。

軽微な用法違反の場合、解除が認められない可能性もあります。

 

5.債務不履行解除の手続きは弁護士へ相談を

大家が自己判断で債務不履行解除通知を送ると、借主が納得せずにトラブルになるケースが少なくありません。いったんもめると裁判が必要となり、トラブルも拡大してしまいがちです。

スムーズに解除を成功させるには弁護士に解除通知の作成や発送、その後の交渉を任せるのが得策といえるでしょう。

千葉県で賃貸借契約の債務不履行解除を検討している不動産オーナー様がおられましたら解除が認められそうかどうか弁護士がアドバイスいたします。お気軽にご相談ください。

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